立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

アーサー・シモンズ『完訳 象徴主義の文学運動』

T・S・エリオット『荒地』からの流れで、アーサー・シモンズ『完訳 象徴主義の文学運動』The Symbolist Movement in Literature(山形和美訳、平凡社ライブラリー、2006)を読んだ。エリオットは学生時代、この本でジュール・ラフォルグを知ったことから重要…

『立ち読み会会報誌』第一号についてのその後の情報

文学フリマでの販売以来、おかげさまで好評いただいております。 お読みくださった皆様、ありがとうございます。 本日、文学フリマ東京で入手した本で、一番、面白かったのはやはり孔田多紀『立ち読み会会報誌第1号 特集:殊能将之(その1)』です。インタ…

梶龍雄『浅間山麓殺人推理』

梶龍雄『浅間山麓殺人推理』(徳間文庫、1988/『殺人への勧誘』光風社ノベルス〉、1984の改題)読み終わり。これはいつもとは趣向が変わっていて、枠物語ふうになっている。冒頭、浅間の山荘に集められた男女五人がいきなり銃で狙撃される。彼らはみな、殺…

なぜかはわからないのだが、自分が中高生くらいのころに若手として何冊か書いていた日本の作家の小説を突発的に読み返したい衝動に駆られている。竹野雅人とか引間徹とか清水博子とか。作品数が少いから(未収録ものも含めて)、全部読んだらここに何か感想…

『立ち読み会会報誌』第一号通販情報

書肆盛林堂さんに通販委託をお願いしました。 seirindousyobou.cart.fc2.com ※ 申し訳ないですが、早々に売り切れてしまったようです。チト検討させて頂きます。。。

『立ち読み会会報誌』第一号の訂正

以下、気づいた個所を順次掲載していきます。もしご存知の方がいらっしましたら、ご教示いただけますと幸いです。 ※ 【巻頭インタビュー 磯達雄氏に聞く】p22 〈孔 そういえばついこの前、『黒い仏』が出てすぐの頃の新聞に、この下にある丸善丸の内本店の週…

御礼

昨日の東京文学フリマへの出店、無事終了しました。来てくださった皆様、ありがとーございました。 印刷所に頼んだブツは開場前に初めて見たんですが、パラパラめくって不備は少なかったものの、理想と現実の大きなギャップにウウウと頭を抱えていました。そ…

続・文学フリマについて

先日の予告の内容が固まってきたので、再度書いておきます。 【日時】 2017年11月23日 11時~17時 【場所】 東京流通センター 第二展示場 2F ウ‐40 【サークル名】 立ち読み会 【頒布物】 『立ち読み会会報誌』第一号(特集・殊能将之〔その一〕) 【内容】 …

文学フリマについて

そういえば↓で予告したように今度、2017年11月23日東京開催の文学フリマに出ます。 11月23日の東京文学フリマに「立ち読み会」名義で参加しますhttps://t.co/iQzCwEp0de(2Fのウ-40)頒布物は殊能将之先生の『ハサミ男』『美濃牛』『黒い仏』についての読書…

ネタバレについて2017

【はじめに】 このブログでは二、三年に一度ほど、いわゆる「ネタバレ」という問題について、自分の思うところを述べてきました。というのは、「ネタバレ」への批判、およびその過剰な批判への反批判について、巷間、コンフリクト(摩擦)が起こっているのを…

LUSTMORDの夜

昨晩、文庫版『ラヴクラフト全集』をパラパラめくりながら、気分を高めるためにスマホでLUSTMORDという人の音楽を聴いていたら、急にすべてのアプリが画面から消えて使えなくなってしまった。それだけでも怖いのだが、なんと再起動さえできない。ただ音楽が…

「memo」におけるロス・マクドナルド関連記述

11月23日の東京開催の文学フリマに出展する予定で、殊能将之センセー関連のあれこれをいま、読み返しています。 するとそのうち、自分がかつてここで 読書日記ページ「reading」は原書の紹介がメインで、邦訳された本の感想については、通常の日記ページ「me…

宿野かほる『ルビンの壺が割れた』(書籍版)を読んだ話

宿野かほる『ルビンの壺が割れた』の書籍版が出ていたので、読んでみました。内容についての感想は、キャンペーン版から特に変わらないのですが……。 新潮社は「波」というPR誌を毎月発行していて、そこに今月号(2017年9月号)は、 [宿野かほる『ルビンの壺…

書き手と読み手のマジック・ミラー的関係についての走り書き

昨年、室井光広の批評集『わらしべ集』を読んだら、そこに通底するマジック・ミラー的世界像にガツーンと衝撃を受けた。「マジック・ミラー的世界像」とは、私が仮に名付けたものだが、たとえば柳田國男を論じた次のような文章におけるモデルだ。 「この世の…

再説・走馬灯

ある方から教わり、ギャビン・ブライアーズの「Jesus Blood Never Failed Me Yet」(イエスの血は決して私を見捨てたことがない)という曲を聽く(有名な曲らしいので、検索してみてください)。 この曲は成り立ちが複雑であるので、ここでちょっと説明する…

占いの思い出

anatataki.hatenablog.com そういえば今年の一月ころ、生まれて初めて「占い」というものを紹介されて体験しました。 それはタロット占いでした。わたしはタロット(都筑道夫ふうにいえばタロー)が実際にはどういうものかもよくわからない状態だったのです…

宿野かほる『ルビンの壺が割れた』(キャンペーン版)を読んだ話

ひと様の思惑に乗せられるのはなんだかシャクではございますが……一応記録としてここにも書いておきます。 ※ 7月14日(金)に突如こういうキャンペーンが始まりました。 www.shinchosha.co.jp 「キャッチコピーが書けない」、などというカマトトを信じるピュ…

このブログに長らくお付き合いいただいている方ならご存知の通り、やるやる詐欺の多いわたくしですが、そろそろ何か同人誌にでもまとめてみようかなとおもっていることがあります。そのためにはちょっとヘヴィーな関門があるのですが、たぶん宣言しないと腰…

この数年、五月頃になると不調気味になることが多く、今もアンマリなんですが、だんだん上向いてくる気分がないこともないので、とりあえずボチボチ活動していきたいなあとおもっています。ワッショイ!

「僕の言う白をキミも白と言うかなあ」

チョー久しぶりにCONDOR 44のアルバムを聴いてたら「winter」という曲で「僕の言う白を キミも白と言うかなあ」という一節につきあたった。 自分と他者の感覚の差およびその不可知性について語る際、視覚とりわけ色を例にするのは小説やらエッセイやら歌詞や…

固着からの解放

読書猿『アイデア大全』(フォレスト出版、2017)という本を読んでいたら、次のような記述にぶつかった。この本は「発想法」についてのものなのだが、終盤の「ポアンカレのインキュベーション」という章にこうある。 天啓は無意識からではなく、固着からの解…

『時の娘』と歴史ミステリについて――ある余白への走り書き的覚え書

少し以前から、ジョセフィン・テイ『時の娘』について、余白(マルジナリア)にメモしておこうと思いながらずるずると流してきたことがあり、そのことについて先日チラッとつぶやいたらnemanocさんに言及されたので、私の方も走り書き的覚え書きとして記して…

走馬灯的効果についてのメモ

アニメ『昭和元禄落語心中』とドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』の最終回を立て続けに見た。それぞれに面白かったが、最終回特有のあの「走馬灯的効果」に関しての扱いがまったく対照的だったのも興味ふかかった(走馬灯的効果というのは私が勝手に呼んでい…

「叙述トリック」についてのメモ(7)

叙述トリックについて思うところを最後に書いて一年近くが過ぎた。http://anatataki.hatenablog.com/entry/2016/04/29/130020当初はそれなりにやる気があったはずなのに、なぜこんなに間隔が開いたのだろうと考えると、たぶん、今の私は叙述トリックというも…

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。 すっかりミッド・ウィンターですね。 ※ これは前にも同じことを述べたような気がするんだけど、何か書く(あるいは作る)時のやりかたを有酸素運動と無酸素運動にたとえれば、私はかなり無酸素系である…

そういえば映画『この世界の片隅に』を見て胸中に思い浮かんだことごとを書いていなかったので、今のうちにそうした雑感をメモしておきます。 ※◯この映画には何か、見る者を引きつけ、それぞれが読み取りたいものを読み取ることができる、鏡のような、ブラッ…

いわゆるPPAP動画を見たのは二週間前で、それでようやく私は、一連の話題がどういうものであるかを知った。 それからいろいろなアレンジバージョンを見たりすると、やはり元がダンス調だからか、EDMふうのものがピッタリくるように思った。 http://fatherlog…

一年半ぶりくらいになんとなくショートショートを書いてみました。 kakuyomu.jp

最近特にここに書くことがないというか、腰を据えて読んだり書いたりしていないのですが、以下雑感です。※室井光広『わらしべ集』(深夜叢書社、2016)という本が出ています。http://shinyasosho.com/home/book1610-01/論考中心の【乾の巻】と書評中心の【坤…

サンプリング・アルバムは走馬灯の夢を見るか?――法月綸太郎『挑戦者たち』

法月綸太郎の『挑戦者たち』を読んで、僕はずいぶん懐かしい気持ちになった。十代の頃、むさぼるように読みふけった本格ミステリで接した「読者への挑戦」という文章から受けた、あの不思議な感じを思い出したからだ。 この本の形式をどう呼ぶかは難しい問題…