立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

雑談

ネタバレについて2017

【はじめに】 このブログでは二、三年に一度ほど、いわゆる「ネタバレ」という問題について、自分の思うところを述べてきました。というのは、「ネタバレ」への批判、およびその過剰な批判への反批判について、巷間、コンフリクト(摩擦)が起こっているのを…

書き手と読み手のマジック・ミラー的関係についての走り書き

昨年、室井光広の批評集『わらしべ集』を読んだら、そこに通底するマジック・ミラー的世界像にガツーンと衝撃を受けた。「マジック・ミラー的世界像」とは、私が仮に名付けたものだが、たとえば柳田國男を論じた次のような文章におけるモデルだ。 「この世の…

ぼさのば

外出から帰って部屋の窓から遠い山の稜線に陽が沈むのを眺めていると、ふとジョアン・ジルベルトが聴きたくなって、それで久しぶりに、たぶん一年ぶりに、(ジョアンってまだ存命だよね……)と不安に駆られ、慌てて検索してしまった。 このところ、わたしが思…

昨日までその気はなかったんですが以前パブーに載せたのを修正してカクヨムに投稿しました。 https://kakuyomu.jp/users/anttk というのは「矢尾通信」を久しぶりに読み返したら作中の擬似SNSシステムが懐かしく思い出され(私は大学一回の時入った近所の…

nemanocさんの「今週のトップ5」という形式はいっすね。なんか懐かしい感じで。http://proxia.hateblo.jp/entry/2016/02/15/080644※年が明けてからもなんとなく梶龍雄作品を立て続けに読んでるんですが、さすがに驚き慣れしてきた感じ。個人的ベストは今の…

nemanocさんの新ブログが爆誕。 http://proxia.hateblo.jp/ 私もそのうちはてなブログに変えようかしら。 ※ 講談社文芸文庫の金井美恵子自選短篇集が三冊揃った。 『砂の粒 孤独な場所で』 『恋人たち 降誕祭の夜』 『エオンタ 自然の子供』 あと10月刊の磯…

よく意味がわからない言葉の一つに、「呼んだだけ」というのがある。名前を口にして相手が振り向いたら、「呼んだだけ」と返して終わる、アレである。一度くらい見聞きした経験があるでしょう。 あの一連のやりとりにいったいどういう意味があるのか。十年ほ…

夢。修学旅行か何かで海外をぶらぶらしていたら、自由時間中に遠くへ行き過ぎてしまう。早く戻らなければと焦っていると、昔会ったことのある裕福な家庭の婦人がヘリコプターへ乗り込むところに遭遇。目の前の休火山の火口の中へ入って抜け道をくぐればショ…

スマホのはてなダイアリーアプリが使えなくなってしまったので、しばらく滞ってました。 やっぱり新しいパソコン買おうかしらん。 ※ ペトロールズのファーストフルアルバムを買ったら、RADIO ONSEN EUTOPIAばりの大きさの三角ジャケット(しかも紙ジャケだか…

意識しないと見えないもの

カーの短篇集『不可能犯罪捜査課』を読んでいたら、三話目に「ホット・マネー」という、ポー「盗まれた手紙」ライクな趣向の話があった。探偵役のマーチ大佐がかなり自信満々なので期待していたものの、日本人にはチト馴染みづらいネタで、いささか期待が外…

例のエレベーター

ブックデザインにおいて装画と装幀は基本的に分かれている。 そして本というのはこれだけ出ているので、意図的にか偶然にか、別の本で同じ装画、というバッティングも時折ある。 たとえば、『夢野久作全集1』(1992年刊)と竹中労『琉球共和国』(2002年刊…

初秋と海と

海。 とたった一文字記すだけでなにやら私の中に潮が満ちてくるのを感じる。 二十歳になる前まではよく一人で渚へ出た。 人影のあることはほとんどなかった。 波打ち際に足の裏を向け両腕をだらしなく伸ばしたまま横に浮かんで水温二十度の海面から顔だけを…

唐突に「叙述トリック」についての云々http://d.hatena.ne.jp/kkkbest/20150729/1438166625をぶち上げてしまったので、せっかくだからいろいろ読んでみようと取り寄せているところ。 斎藤栄の「ストリック理論」は名のみ知っていたので『新版 ミステリーを書…

古井由吉『仮往生伝試文』が講談社文芸文庫入り。文庫にならないのではないかと思っていた。 http://bookclub.kodansha.co.jp/product?isbn=9784062902786 ※ 黒田夏子『感受体のおどり』も『abさんご』と併せもう文庫になっているそうです。 http://books.bu…

一段落したので、また何かしら読んだりできるであろう。というか、『記念日の本』がいい加減読みたいっす(まだ最初の一編しか読んでない)。あと、「フランスミステリの勘違い」も確かめたいなあ。 ※ 新刊『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』はもう出てい…

apple musicを試しつつ、聴ける曲と聴けない曲を探しているところ。YouTube以来の黒船感で、まだどう受け止めていいのかよくわからない。邦楽については今のところ一応、マイナーな音楽はあまりないものの、「メジャーなミュージシャンのアルバムでしか聴け…

『殊能将之読書日記』は無事に今月、刊行されるようですね。 https://twitter.com/tatsuoiso/status/611816497942409218 なぜか版元サイトではずーっと(今現在も)カバーイメージが不明のままだったので、この十日ほど、推測をここに書こうとしては(でも数…

沢村浩輔『夜の床屋』(創元推理文庫。文庫化にあたって『インディアン・サマー騒動記』から改題) ミステリーズ!新人賞受賞の表題作を冒頭に、前年に最終候補となった「『眠り姫』を売る男」を終盤に配置してそのあいだを書き継ぎ連作化したもの。確かに『…

『紫藤はるか短編集』(あじさいノベルス)を読む。 題名通り、紫藤はるかさんという作者が同人誌に書いたものをまとめたもの+αの電子書籍。 エアミステリ研究会というネットサークルの方々をいつ頃からフォローするようになったかはすっかり忘れてしまった…

浦賀和宏の新作『究極の純愛小説を、君に』を読み終わる。 いやー、結末の受け止め方に迷ってしまいました。この小説は基本的に、高校の文芸部員・八木剛を中心としたスラッシャー小説と、失踪人を探す保険調査員・琴美の捜索小説という二つが前後にくっつい…

『究極の純愛小説を、君に』を買ってすぐにパラパラめくっていたら、帯文の通り浦賀和宏という人が出てきた。しかも失踪するらしい。閉じ込められたり食べられたり、世の中に浦賀和宏さんはいったい何人いらっしゃるんでしょうか。 『姫君よ、殺戮の海を渡れ…

講談社のサイトに読書日記のページができていましたが、やっぱり24日みたいですね。この価格だと、『アガサ・クリスティー完全攻略』のように箱がつく仕様なのかしら……って、書いてて思ったけど、これってもしかすると何か没後受賞の可能性ワンチャンあるん…

瀬川コウ『謎解き乙女と奪われた青春』 ドラマが主体の感じでミステリとしてのトリックはそれほど大きくなく、また私はスクールカースト云々というような話はニガテだけども、二人が決別してからはドライブがかかり、読み切ってしまった。ところで中学時代に…

dCprGと改名したデートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデンの新作『Franz Kafka's South America』。ところで南米というとちょうど十年前の『南米のエリザベス・テイラー』は、ポスターを部屋に貼っていたくらいよく聴いていました。今回はまだ聴きこめ…

法月綸太郎『法月綸太郎の功績』を十年ぶりくらいに読み返していたら、「都市伝説パズル」にSSRIとかプロザックとかいう単語が出ていることに初めて気づいた。前はわからなかったなあ。 ※ さいとうななめ氏による『謎解きドリル』解説。 http://d.hatena.ne.…

河添太一『謎解きドリル』1、2巻を再読。初読時より面白かった。 この作品について、作者はこういうふうに語っている。 僕は元来おしゃべりな性格で、ネットなんていう簡単に意見を発信できる媒体があればそれはもう自分の作品について、 「ここを見て!」…

木曜夜に「アウト・デラックス」でふかわりょうゲスト回を観たら、なかなか興味ふかかった。 私は「芸能IQ」というのは、演者本人から見た自分と、観客から見た自分との距離を即座に察知し、より面白いと思われるほうへスライドしていく能力のことではないか…

ウィトゲンシュタインの講義が即興だったというエピソードを読んで、あることを思いついた。推理小説の解決シーンで探偵が話す行為は、語り言葉による聞き手へのパフォーマンスといえないだろうか。もちろん、それは即興というわけにはいかないから、一見正…

佐々木中の講演集『仝』を読んでいたら、ウィトゲンシュタインは即興で講義をしていたという話が紹介されていた。 彼の講義って完全なアドリブだったんだそうです。いきなり講義室にやってきて、「前回どこまで行ったっけ?ああ、そうか。判った。では続きを…

memoの再読は長い中断を挟んで2006年半ばまできた。6月前半に、『DEATH NOTE』の映画化についての記述がある。 「DEATH NOTE」が藤原竜也主演で映画化されるそうな(金子修介監督、2006)。 日本映画界には「人殺し高校生役は藤原竜也」の法則があるのかな。…