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襤褸は着ててもロックンロール

雑談

河添太一『謎解きドリル』1、2巻を再読。初読時より面白かった。 この作品について、作者はこういうふうに語っている。 僕は元来おしゃべりな性格で、ネットなんていう簡単に意見を発信できる媒体があればそれはもう自分の作品について、 「ここを見て!」…

木曜夜に「アウト・デラックス」でふかわりょうゲスト回を観たら、なかなか興味ふかかった。 私は「芸能IQ」というのは、演者本人から見た自分と、観客から見た自分との距離を即座に察知し、より面白いと思われるほうへスライドしていく能力のことではないか…

ウィトゲンシュタインの講義が即興だったというエピソードを読んで、あることを思いついた。推理小説の解決シーンで探偵が話す行為は、語り言葉による聞き手へのパフォーマンスといえないだろうか。もちろん、それは即興というわけにはいかないから、一見正…

佐々木中の講演集『仝』を読んでいたら、ウィトゲンシュタインは即興で講義をしていたという話が紹介されていた。 彼の講義って完全なアドリブだったんだそうです。いきなり講義室にやってきて、「前回どこまで行ったっけ?ああ、そうか。判った。では続きを…

memoの再読は長い中断を挟んで2006年半ばまできた。6月前半に、『DEATH NOTE』の映画化についての記述がある。 「DEATH NOTE」が藤原竜也主演で映画化されるそうな(金子修介監督、2006)。 日本映画界には「人殺し高校生役は藤原竜也」の法則があるのかな。…

書店で『ジーン・ウルフの記念日の本』とレム『短篇ベスト10』が隣に並んでいるのを見かけた。この二人の著作が新刊(しかもこのシリーズ)として出ると(そして来月に『読書日記』まで出るとなれば)、自分が受験生だった2004年の夏を思い出す。あの年は、 …

友人に誘われAPOGEEと80kidzのツーマン@渋谷lamama。APOGEEはもう七年前になるか、セカンド時にフリーライブに当たったのにバイトが抜けられず、そうこうしているうちに活動休止期に入ったので見るのは初。昨年のアルバムは打ち込み主体でそこからの曲が多か…

さいとうななめ氏の推す河添太一『謎解きドリル』をコミックス二巻まで。一読したところあまりピンと来ず、後でななめ氏や作者の言葉から、トリックやロジックより「演出」「構成」に主眼があるらしいとボンヤリわかりかけてきた。とりあえず再読します。 ※ …

最近どうも気力が湧かないので、一昨年みたいにしばらく雑談を書き留めることにします。 ※ syrup16gの新譜『Kranke』を聴く。リード曲の「冷たい掌」https://www.youtube.com/watch?v=gk02WpyN_Qoは最初、リズムチェンジとコードチェンジに気を取られ、聴き…

矢部嵩氏の講演会が開かれるそうです

知人が矢部嵩氏の講演会を開くそうです。 ご興味あるかたは是非。 https://twitter.com/tyabekouen/status/577075857837023232 ※ 某氏がブログのデザインを変更していたのに釣られて、私も思い切ってガラッと変えました。

「語りえないものの上で擬音語が花盛り」

以下は夢で見た話。 ネット上の某所に、次のようなことが書かれていた。 文学的概念としての失語体験はほとんどの場合、通俗的にしか理解されていない。その例としては、〜、〜(このへんでネット上から何人かの発言を引用)などに顕著である。彼らは「失語…

年末的

年末だからか、米倉あきら『インテリぶる推理少女とハメたい先生』の話題をTLで見かける。以前、こちらに感想を書いたことがあったので、読み返してみた。あまり上手く書けなかった覚えがあり、削除しようか迷っていたんだけど、思ったより案外、フェアにな…

あれこれ

風邪でちょっとペースダウンしていたものの、ぼちぼち気になった事柄のメモを復調していきたい。 ※ 後藤明生の電子書籍版選集がスタート。すでに『挾み撃ち』と『吉野太夫』が配信されている。 企画全体の予定は次のblogにある通りらしい。私は紙のほうが好…

キニャールの来日

パスカル・キニャールが来週、来日するという。関西でもイベントがあるようだ。 この機会は逃したくないなあ。

確率的な生

さいとうななめ氏が東浩紀『クリュセの魚』を評して〈偶然〉〈確率的な生〉というキーワードを出されている(2013年11月3日)。 作者の動向は近年あまり熱心に追っていなかったけれど、〈偶然〉とか〈確率的な生〉については、興味がある。『クリュセの魚』…

ソフトカバー、スマフォ

昨日書いた大江作品のソフトカバーが云々……という話は、今日も探してみたが、結局わからないまま。金井美恵子かと思って昨日から『目白雑録3』『4』『5』『猫の一年』などをひっぱりだして見ているのだけど、どうもないようだ。「KAWADE道の手帖」深沢七…

今後の予定

もうちょっと更新頻度を上げて、言いっぱなしになっているものを実現したいと思ったので、以下構想している今後の予定を書きつけます。 ・いったいどれくらいの人の記憶にあるかわかりませんが、もう半年ほど途絶えている「つらつらと」シリーズは、自分の関…

動線の設計

「文体」というのは非常に大きなテーマで、日頃、意識することも多々ある。 「文体とはいったい何だろうか」ということを考えた時、いくつかの文章が思い浮かぶ。それについて少しまとめてみたい。 ※ まず「文体とはいったい何だろうか」という疑問を提出す…

「未読」の「恥ずかしさ」、および地図について

いま手元に原本がないからウロオボエで書くけれど、ギルバート・アデアの評論集『ポストモダニストは二度ベルを鳴らす』に、ゴンチャロフ『オブローモフ』およびその周辺にある言説(たとえばドブロリューボフいうところの「オブローモフ主義」)に触れて、…

『Poltergeist』についての雑感

大学の後輩達が作った、関西ミステリ連合有志『Poltergeist』という同人誌を先月の文学フリマで購入し、さきほど読み終わった。現役の学生七人が結集して製作したもので、最近はミステリ研究会員の間にも書きたい人が多いらしい。 ミステリ研究会というのは…

フリーハンドドキュメント

「人力たんぶらー」という案を帰り道に考える(別にたんぶらーでなくてもいいが)。一日のうちに読んだり考えたり思い出したりしたことを心に浮かぶままに引用元・発想元を示さずにカットアップのようにつないでいく。太い脈絡のない、ぶつ切りのカタマリが…

一休み

マコーマックの『パラダイス・モーテル』についてはそのうち。今日は少し違う話題を。 ※ もう一週間近くも雪が解け残っている。このところ連日、平均気温が零度近いからだ。昼の間に蒸発しきらないまま、夜を迎えてまた硬くなる。それを繰り返すと、粒が大き…

新年のご挨拶

あけましておめでとうございます。今年もどうか一年、よろしくお願いします。 昨年は年の始め頃に書店で詩のコーナーに迷い込んで、散文に疲れていたせいもあって、「ああ、詩集はいいよな、余白がたっぷりしていてな」などと勝手なことを思い(その後、一人…

インフルエンザだぞ私は

そろそろ引っ越そうというのに帰省先でインフルエンザにかかって、三日寝たきりでもちっとも回復しないし、高校時代は一日休んだらスッキリしたもんだけどな、こりゃあ体力が落ちたか、と考えると先が思いやられるし、そうボヤいてる間にも膨らんだ両目の奥…

池田雄一さんて

今月の『文学界』に書いている文芸評論家の池田雄一さんて、『早稲田文学』の編集者なんだと思ってたけど、違ったのかなあ。 というのは、『早稲田文学』第十次復刊第二号のシンポジウムのポッド4「読者と小説 批評と書評、文学賞」で、中森明夫氏が、早稲…

王貞治と津村記久子

確か先々週の『週刊読書人』に、津村記久子の、芥川賞ではなく野間文芸新人賞授賞式のコメントが載っていて、(作品は『ミュージック・ブレス・ユー!』、本賞は町田康『宿屋めぐり』、児童文芸賞は工藤直子『のはらうたV』)記憶で書くのだが、こういうこと…

ミュージシャンとアーティスト

大野佐紀子氏の『アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人』は、文芸誌の広告に結構載っていて、気になって読んだ。私は以前から、なぜミュージシャンが「アーティスト」と呼ばれるのか不思議だった。「ミュージシャン」や「バンド」「グルー…

恒川氏と沖縄

「夜市」でホラー大賞を受賞してデビューした、恒川光太郎氏の公式ブログが最近オープンしたということで、調べてみた。 が、全然出てこない……。 googleで調べてもわからないし、Wikipediaにも載ってない……。 ということで、2chで調べたらわかった。 「コウ…

いつの間にか芥川賞・直木賞の候補作が出ていました。月日は早いものです。 芥川賞 ・鹿島田真希「女の庭」(『文藝』2008年秋号) ・墨谷渉「潰玉」(『文学界』2008年12月号) ・田中慎弥「神様のいない日本シリーズ」(『文学界』2008年10月号) ・津村記…

サークルの皆様方が年間ベストを出しているので、私も読んだ本から年間ベストを出してみる。 書評誌とかだと「2008年の収穫」とかになるのだろうか。 なぜ「収穫」というのだろうか……。 基本、今年出た本だが、去年出たものも。小説 ・飛鳥部勝則『堕天使拷…