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立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

『トスカの接吻』

 深水黎一郎の新刊『トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ』を読む。
 前作の『エコール・ド・パリ殺人事件 レザルティスト・モウディ』は未読だが、前作から始まったシリーズの二冊目らしい。本格ミステリらしい、不可能状況のあらためも確かだし、文章も読みやすいし、結構良い。ネタや方法論自体は衝撃的ではなくても、いかにもノベルスらしいユルさで(でも、主人公の上司の警部の聞き間違い=駄洒落はなあ……。「ナルコレプシー」を鳴子こけしとかいうんだよ)、次が出たら読んでしまいそう。
 プッチーニ作曲のオペラ「トスカ」上演中に起きた殺人事件の謎を追う話で、オペラに関する薀蓄もたっぷり。主人公である海埜刑事の甥、瞬一郎が、「世界を股にかけたフリーター」でありながら推理力もある「芸術探偵」で、やたら芸術に詳しく、芸術家関係の事件に巻き込まれてしまう……という芸術ミステリ・シリーズらしく、絵画→オペラときて、さて、次はどう出るか。

トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ (講談社ノベルス)

トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ (講談社ノベルス)