TBCN

襤褸は着ててもロックンロール

あらら

今年のBunkamuraドゥマゴ文学賞中原昌也の『中原昌也作業日誌 2004→2007』だ。
最初にその受賞を知ったのは、大阪は淀屋橋にあるBook1stだった。決まって本当に間もない頃で(受賞が3日で、淀屋橋に行ったのが確か4日だ)平台に『作業日誌』が3、4冊積んであり、手書きポップで「ドゥマゴ文学賞受賞!!」と書いてあったのを見て、「ええっ」と思ったのだった。
だって、前回は赤坂憲雄岡本太郎の見た日本』ですからね。
帰って早速ネットを見ると、今年の選者は高橋源一郎だ。
「あー」と納得した。なるほど。


それで、今日は授賞式だったそうだ。
柳下毅一郎氏のブログhttp://garth.cocolog-nifty.com/blog/2008/10/post-952c.htmlのレポートによると、もう中原氏は小説家活動を辞めてしまうという。
また、「ええっ」。
本当に残念だなあ。もう読めないのかなあ。
高校生の時に『子猫が読む乱暴者日記』を読んで以来のファンだったのだが。


小説から音楽に入り、暴力温泉芸者の『NATION OF RHYTHM SLAVES』を中古CD屋(京都の向島にある「ジャンク堂」という中古なんでも屋)で買って、曲の途中からものすごいノイズでビックリした覚えがある。
そうそう、この『NATION OF RHYTHM SLAVES』に入ってる「鮫に喰われた娘」と「黒の舟歌」は野坂昭如のカバーだ。初めて聴いてからずっとオリジナルだと思っていて、「なんか歌謡曲みたいだな」とは感じていたのだが、クレイジーケンバンドのライブ盤『CKBライブ 青山246深夜族の夜』を聴いたとき、野坂氏が、
「男〜と、女〜のあーいだには〜」
とシブく歌いだして、「どっかで聴いたよな……」と悶々としていて、やがて「あっ」と気づいたのだ。
広告批評』(2004年8月号)の、中原氏と高橋源一郎の対談で、高橋の昔の恋人とのエピソードとして、彼女が「暴力温泉芸者には良い曲があるんだよ〜」って言うから、「どれ?」って聞いて、暴力温泉芸者のCDを二人で全部聞き返したんだけど、結局わかんなかった……という話が載っていたのだが、「鮫に喰われた娘」は良い曲だ。
「鮫に喰われたアイツ〜
可哀相だよアイツ〜

本当に鮫が食べたのか?
本当に鮫が食べたのか?

誰も知らない……」
という歌詞がミステリー好きの私は大好きで、ついつい聴いてしまって、友人にも薦めてしまった。


というわけでツラツラ書いてきたが、うーん、もう小説が読めないのは残念だ。
「今月はどうかな〜」と思いながら文芸誌をパッと開いて、「ブン殴って犯すぞ」「ドキュメント 授乳」とかいったタイトルがシレッとした顔で載っているスリルも好きだった。
(短篇奇賊的には、彼の単行本『ニートピア2010』のオビに「13のショック」というコピーが入っているのがネタ)






というか、たった今気づいたのだが、俺のこの「kkkbest」って、日記作る時に無意識に適当に入れたのだが、元ネタは『KKKベストセラー』やないか!!

恐るべし!!

いや、実は『KKK』読んでないんだけどね。

KKKベストセラー

KKKベストセラー