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立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

氷川透さんの復活を望む

ミステリ 音楽

久しぶりに、会話で氷川透さんのお名前をお聞きしました。
氷川さんのホームページhttp://homepage3.nifty.com/toru_hikawa/は、高校生の頃から拝見しておりました。サッカーの話題はよくされていましたし、掲示板でのファンとの交流が活発な時期もございました。しかし「雑文」という名の記録の更新が止まってもう2年にもなり、最後に本が出たのも、もう四年前のことになります。
私が氷川さんのお名前を知ったのは、歴代のメフィスト賞作家の受賞作を探していた時のことでした。後期クイーン問題に挑戦されたり、推理シーンで小説が終了したりといった、「本格ミステリ」というジャンルの限界にギリギリと挑んでいく「氷川透シリーズ」の姿勢は研究者か求道僧のようで、私を含め多くのファンがいたと思いますし、今もいるはずです。
その後、トクマノベルスでお書きになった「各務原氏シリーズ」はやや軽さが気になってしまい、やはり「氷川透シリーズ」の新作、これこそが本命ではないかと、心待ちにしておりました。講談社ノベルスから出されると予告されていた1000枚の力作『インサイド・アウト』、氷川さんの作品でも最長の、たぶん「氷川シリーズ」だと思いますが、それが世に出る日を今か今かと待っていたのです。
氷川さんは97年、鮎川哲也賞に応募された『密室は眠れない夜のパズル』(『眠れない夜のために』改題)が島田荘司先生に激賞されたとき、「本格推理作家としてやっていこう」と本当に決意されたとお聞きしました。それを知って私は、あえて困難な道を進まんとする熱意に、希望に、感動いたしました。
講談社メフィスト賞を受賞された作家の方々といえば、作品の発表に何年も間隔を空けられる方も多くいらっしゃいます。失礼ながら本格ミステリという小説ジャンル自体、あまり華々しいといえるものではございませんし、未曾有の出版不況とされるこの時代、じっくりと腰を据えて難問に挑む力作を書ききるのは、それ自体が難しいことであるとも思います。2008年の本格ミステリ大賞の選評、拝見いたしました。前年の2007年は選評の欄にお名前がございませんでしたので、安心しました。
同じくメフィスト賞を受賞された石崎幸二さんが昨年、5年ぶりの長篇『首鳴き鬼の島』を発表されて高い評価を受け、続く今年も『復讐者の棺』を刊行されファンを狂喜させましたことは、まだまだ記憶に新しいトピックだと思います。氷川さんもあるいは、と思いますが、他のお仕事がお忙しいのでしょうか。ミステリファンにはお馴染みの「生存確認」というやつですか、氷川さんからの発信が年に一度では、ファンは寂しく思いますので、まずはホームページの更新から再開されて、その後に『インサイド・アウト』、そしてゆくゆくは本格ミステリ大賞……と、いきなりとは申しませんが、石崎さんに続いていただき、ご健在ぶりを満天下に知らしめていただきたい、こう思うのです。
来る2009年が、本格推理作家・氷川透さんの大復活の年になりますようにと、願ってやみません。

 ※

いや、本当に感動したんですよ。
というか、ここに書くくらいなら、講談社に手紙書けっていう話ですね……。
「雑文」2006年8月の記述には、来年は講談社ノベルスから新作を出す、みたいなことが書いてあるのですが……。