立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

鳥飼否宇氏の最新短篇「問題作」が『ジャーロ』に載っている。
『ミステリマガジン』に載ったシリーズ前作「処女作」の感想は9月25日のエントリーに書いたのだが、今作はまた凝っている。事件を起こしつつある犯人の青年の一人称小説の下に、「神の視点からの脚注」として膨大な脚注がついているのだが(新潮選書のような体裁だと思ってください)、犯人の言動や描写にいちいち調査報告書のような注による解説が入るので、進んだり引き返したり、を強制される。
内容はこれまで通り、まあ、ヒドイ話なんだが……。
ところで、前二作は登場人物が、書かれた文章に仕掛けられた謎を作中で解き明かそうとする、メタミステリの要素を取り入れた短篇だった。今作も問題編と解決編、読者への挑戦が入っていはするのだが、メタだったか? というと、そうは感じなかった。ちょっと内容を明かすと、犯人は最後に死んでしまうのだが、だとしたら、「この小説」を書いたのは誰なのか? 「神の視点」が犯人の内面にツッコめたのは何故か? なぜ「問題作」というタイトルなのか?
前二作と違い、その辺が今回はストンと腑に落ちなかった。まあ立ち読みなので……(スイマセン)。
もう一回読んでみるか。

EQ Extra GIALLO (イーキューエクストラジャーロ) 2009年 01月号 [雑誌]

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