立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

犀の角のように歩め

condor44の十周年記念ワンマン@Club queに行った。
condor44はギターロックバンド。ふだんはオルタナとかシューゲイザーとかに分類されるんだろうか。
生で観るのは2回目で、前回はそのふた月前、イベント44th tigerⅢだった。
イベントは4組出演し、condorがトリ。出てきた瞬間、他の3組とはどこかオーラが違うと感じたものだ(観客も一番、ステージ前にどっと寄っていた)。
その際は、ボーカル佐々木氏のトークが長すぎて、なんと予定より一曲割愛されてしまうという……。
今回はその反省から(よくあることらしい)、トーク時間を削減するべく、事前に喋りを音源化し、当日に配布するという。
で、満を持して望んだのだった。

 ※

客席には100名くらいはいただろうか。10分ほど遅れてはじまり、「Hush & Vane」、「db」、「ebb」、などが続いた。二部構成で、第一部は初期、第二部は最近のもの、ということだった。
前回、脱退したドラマーの安島氏が終盤に登場し、ラスト二曲を叩いて盛り上がった。その締めが「Hush & Vane」だった。この曲はデビュー時に即完売したという単独音源のタイトル曲であって、初の全国流通版アルバム『00203』(2001)でも、二曲目に入っている。
解散とか、記念とか、そういうライブの最後に初期の曲をやると、どうしたって盛り上がる。が、今回は逆に「Hush & Vane」から始まった。
「db」は『00203』に続くアルバム(2002)の表題曲で、これも「生で観たいなあ」と切望していたものだ。「db」はギターロック好きに人気が高い(はず)。私も動画サイトで観てアルバムを買ってみたのだが、他は以外にしっくりこないというか……。はっきりいってしまうと「db」みたいな曲はこれ一つしかなく、他はインタールードみたいなものもあり、ちょっと物足りないのよ。
一番完成度が高いのがやはり、3枚目の『good bye 44th music』(2007)だろうか。これは素晴らしい。何度も聴いてしまう。というか、このアルバムを聴くと、他の作品はどれも一枚として中途半端な印象を受ける。このアルバムによって、一つ違う次元に入り、新たなスタイルが確立されたのではないか。いや、新たなスタイルも何も、作品の絶対数が少ない気もするが……。
というのは俄ファンの勝手な思い込みだけれども、当日、顔見知りらしき客が立ち話しているのが聞こえた。
「『db』出た時、僕バイトしてたCD屋で売ってましたモン」「それからまさか知り合いになるとは……」「そうそう(笑)。その間にアルバム一枚しか出てないんだけど」「10年で4枚ってやっぱり少なくない?」「まあでもやっぱり、本人たちもマイペースだから……。それが良いんだよ。多分」

第一部が終わり休憩時間となり、ステージ横のスクリーンに、線路を汽車が走るイメージCGとともに10年分の写真やら映像やらが写しだされる。
そのまま、踏み切り音をメトロノーム代わりに第二部がスタートし、『good bye〜』収録曲や「Jr.」、最新曲の「ハイビス」などが次々と。
「殺す気でやるんで!」の言葉通り、すさまじいテンション。「winter」ではゲストにチェロの他、先述の安島氏がギターを弾いていた。安島氏は肩を悪くしている、ということで、それが脱退理由だったんだろうか。てっとりばやくウィキに載ってないかと思って見たら、削除されてたhttp://ja.wikipedia.org/wiki/Wikipedia:%E5%89%8A%E9%99%A4%E4%BE%9D%E9%A0%BC/CONDOR44(メチャクチャだなあ、wikipedia
「Ru's Rock」で第二部終わり。これは前回の44th tigerとは真逆だった。
「おかげさまで10周年で、ありがとうございます。もっと泣くかと思ったら、直前までバタバタで、全然そういうテンションじゃなくって……」
「俺はもう泣きそうだぜー」
みたいな適当なトークも結構受けていた。
そのまま終わるかと思ったら、「アンコールありがとう!予定調和につきあってくれて嬉しいぜ!」と登場。
「10年迎えてねー、何が変わったかといったらやっぱり、えー、もう身体にガタが来てます。ホント。千加子さん(ベース)も曲間で椅子に座ってるでしょ、ホラ」
「そうだね」
「ヘルニアガール!」
などと言いつつ、始まったのが「good night 44th music」で、おおっ、と会場盛り上がる。これ、12分くらいあるんだよね。まさかやらないだろうと思っていただけに、嬉しさ一入。ところが終盤、ギターのみ鳴る間奏部分でステージの後ろがドタバタしている。そこに安島氏がやってき……。
「えー、ドラマーが限界だそうですので、ここで急遽、第二ドラマー安島に残り一分!やってもらいます。これがcondor44だよ!天才には障害がつきものなんだよ!」と、演奏は途切れないまま、徐々に呼吸を合わせて、ラストに爆発。
なんか色々凄いぞ。
終わって帰り際、カップルと思わしき男女が店の階段を上がりながら、
男「いやー、だって安島さん演奏しちゃうんだもんね。凄いよ」
女「そうなの?」
男「だってさー、最初から長いことやってきて、それで去年抜けちゃって……。でもそこでステージ上で本当に泣いてたら俺も結構冷めたと思うけど、やっぱ全然そうじゃないから。トークとかすげーテキトーでさ……そこが良いのよ」
僕もそー思います。次作が待ち遠しい。