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立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

続・『快適生活研究』の文庫

前回の続き。

前回、私は、『快適生活研究』単行本に掲載されたオブジェの図版について、<文庫だとやっぱり削られるよね。どうなるんでしょ。>と書いた。その予想は外れた。

書店で手にとって、驚いた。各篇の扉にはタイトルがピンク色で刷られ、その裏にはオブジェの写真が4色で入っている。カラーページはその、扉の表裏に限られ、もちろん単行本とは違って、図版のレイアウトも変更されているのだが、それにしても。すごい。かなり贅沢な作り。

巻末には<文庫版特別インタビュー 「嫌なタイプの人間」のカタログのように(聞き手:編集部)>を収録。作品について解説されている。<ただ、続編も含めて今後書く小説については、私はプロの小説家だから「どの媒体に載せる連載か」などが決まってから内容を考えるんです。「新潮」の連載小説もどう終わらせるのかもまだ決まっていないのに、それより先のことについて考えてみてもいろいろな非快適な未来に「ゾッとするだけ」ですから、今は何も考えたくはないんです(笑)。>続編はまだだいぶ先になりそうだ。
単行本刊行時、たしか『小説トリッパー』に、中原昌也が書評を書いていた。「余裕など、どこにもありはしない」というような題だったと思う。確かに、作中に出てくる「よゆう通信」という個人発行の通信のタイトルも、ものすごい。
あと、これも朝日新聞だったか、著者近影の入った全五段広告が掲載されていたのを見た記憶がある。えーと、「大傑作」に「にっぽんいち」とルビが振られていたような、気がする、うろ覚えなのだが……。