立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

Don Caballeroの初期作

Don Caballeroの初期作集『Five Pairs of Crazy Pants. Wear’em』が出ていたことに気づく。
http://chunklet.bandcamp.com/album/five-pairs-of-crazy-pants-wear-em
(ドラムのデーモン・チェ率いる彼らの評価や経歴についてはWikipediaだとかそのへんhttp://ja.m.wikipedia.org/wiki/%25E3%2583%2589%25E3%2583%25B3%25E3%2583%25BB%25E3%2582%25AD%25E3%2583%25A3%25E3%2583%2590%25E3%2583%25AC%25E3%2583%25ADをご参照あれ)。
Don Caballeroは、「ポストロックの先駆け」「Battlesのメンバーも参加した伝説のグループ」などと形容されることもあるけれど、そういう評判は抜きにしても、単純に聴いていて気持ちがいい。
自分の場合、もともと手数の多いドラムをよく聴いていたというのもあったけれど、シンプルなトリオ編成ながらハードなバンド演奏と、時期によってキャッチーだったりエモーショナルだったりドリーミーだったりする曲調、すごいテクニックなのにどこか大味な印象が抜けないアメリカンでラフな構えは、小林英樹氏が二作のライナーで書いているように、他のカッコイイ楽器や編集をばんばんいれて轟音な世界観を作り込んでゆくその後の若手のインストもの、ポストロックものよりも先人の余裕に満ちた感じで、居心地が良かった。
私が初めて聴いたのは2006年の復活作で、そこから過去作をあたって翌年の来日公演は大阪に行き、08年の復活第二作もすぐに聴いた。
ネットでツアーの様子などはたまにチェックしていたけれど、そのうち活動の間隔が空きだし、新譜は12年のライブ盤(それも収録は03年)以来。リーダーであるデーモンのインタビューhttp://m.noisey.vice.com/blog/don-caballero-damon-che-interviewを読むと、今後も予定は未定らしい。もう彼も40代後半になりつつあるのか。
06年の復活作『World Class Listening Problem』(すごいタイトル)は四人体制で作られたアルバムだが、直後に二人いたギターのうち一人が抜けてしまい、以降はずーっと三人組でライブではツインギターの曲を一本のギターで代用しているものだから、時折、ここぞという箇所で演奏がショボく感じられるのも事実で(しかしそのルーズさもなんだかドンキャバらしいといえばらしく聴こえてしまうのが不思議だ)、この四人アルバムとそれ以前の三人アルバム(ただし時期によってドラム以外のメンバーは何度も変わっている)を聴き比べるのも面白い。
今回の初期作品集は、すでに別バージョンとしてのちに発表されている曲も多いけど、1991年の結成してまだ間もない頃、20歳代前半ながらのちにつながる独特のグルーブが完成されている一方、いかにもインディーらしいラフなたたずまい(2000人以上の規模の舞台で鳴らしているところを想像できない)がすでに共存しているのがすばらしい。
いつか完全な新作もまた聴きたい。

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