立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

十月に読んだもの

野崎まど『舞面真面とお面の女』『小説家の作り方』『パーフェクトフレンド』(メディアワークス文庫
だんだん面白くなっていく感じで、特に『パーフェクトフレンド』は傑作だと思いました。
小島信夫『小説の楽しみ』『書簡小説論』『演劇の一場面』(水声社
どれも著者没後に刊行されたもの。内容は順に、晩年のトーク、九十年代に準備された長編書き下ろしエッセイ、八十年代の連載。いずれも200ページ足らずと短いものだが、まとめて読むと、小説・手紙・演劇をめぐって同じ関心が展開されていることがわかる。実は刊行時にも手にとったんだけど、なかなか入り込めなかった。「daily report from mt. olive」さんのたとえば次のような言葉に奮起してこのところ、手にとろうとしてきた。〈小島信夫は戦後の日本における最大の作家である。たとえば、『別れる理由』はバフチンドストエフスキー批評をまるごと吸収して書かれた世界唯一の長編小説であると思われる。ピンチョンも、リョサも、文学のスケールとレベルにおいて小島信夫の足もとにも及ばないのだ。〉http://angel.ap.teacup.com/unspiritualized/398.html
金井美恵子『お勝手太平記』(文藝春秋
『恋愛太平記』とは関係なく、目白もので、『快適生活研究』に登場する「アキコさん」による手紙で全編構成された書簡小説。『快適〜』をパラパラめくると、本書の詳細な背景がわかる。著者本人に言及される箇所(『目白雑録』を読んだ「アキコさん」が、「金井美恵子がエッセイで書いている映画館の客は自分たちのことではないか」と指摘する箇所……そして「あとがき」にあたる部分で著者本人に向けて手紙を書く箇所)はやっぱり「オッ」と思う。
石川博品『ヴァンパイア・サマータイム
すばらしい。

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