立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

『殊能将之読書日記』が刊行されるそうです

前回紹介した殊能将之氏の公式サイトを基にした本が、『殊能将之読書日記 2000-2009 The Reading Diary of Mercy Snow』というタイトルで6月11日に発売されると先週、予告が出ていました。
「katsukura」前号が刊行情報のおそらく初告知となった本書については、その時いろいろ推測をしましたが、内容紹介文(2001年から2009年の間に殊能将之氏のホームページ「mercy snow official web site」に書きつづられた読書記録。フランスの本格ミステリに惹かれ未翻訳作品を原語で読んだり、自らが編者となる短編集のために原書を読み漁ったり。読書の楽しみが蘇る縦横無尽の読書本。)を見るに、旧サイトの「reading」が主なコンテンツとなるのでしょう。逝去された際にも書いたように、「reading」の全体量は、私の計算だと600枚強(原稿用紙換算でいえば24万字以上)ではないかと思います。
どういう形態になるのかは現段階ではわかりませんが、こうして通販サイトのタイトルに叢書名がついていないことからすれば、ノベルスでもBOXでもなく、四六判の単行本でしょう。四六判で360ページといえば、普通の小説のような組み方(一段組)だと、だいたい600枚くらいにはなるはずです。
ところが、ご存じの方も多いように、読書日記ページ「reading」は原書の紹介がメインで、邦訳された本の感想については、通常の日記ページ「memo」に記されることが多かった。そうすると、600枚に収まりきるような分量ではない……。また原書の話題については、横文字も頻繁に出てくるので、縦組みだと見づらいような気もする。すると、かつての森博嗣日記シリーズのように、横組ということもあるのか、否か。いったいどのような編集方針でまとめられることになったのか、装幀も含め、興味ふかいところです。
それにしても単行本となると、ハードカバーの既刊は『子どもの王様』が一冊ありましたが、あちらは「講談社ミステリーランド」のラインナップなので、唯一でしょう。
いつか単行本の小説が出ないかなあ、と五、六年前に夢想していたのを思い出すと、何やら身体の力が抜け落ちてしまいそうになるのを感じるのですが、十年以上ぶりの新刊についてアレコレと考えながら刊行を心待ちにするのも、今となっては楽しいことかもしれませんね。

【2015.05.08追記】
講談社のサイトにも正式に予告されているようです。(一番下のほう)
http://kodansha-novels.jp/
細かい話ですが、各通販サイトでは「mercy snow official web site」と内容紹介に記されている一方、講談社のサイトでは
"Mercy Snow Official Homepage"よりreadingページを まとめた、本が読みたくなる読書日記!
となっています。もちろん正式な表記はofficial home pageでしたが、最近ではそうしたhome pageの用法は誤用とされていますね。それはともかく、ここではハッキリと「readingページをまとめた」と書いてあるので、やはりmemoは外れるのか?と思った次第。