立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

四月に読んだもの

よしもとばなな『白河夜船』新潮文庫
ひとに勧められて十年以上ぶりに著者の小説を読んだら、太宰治のようにすーっと染み込んでくる語りで、実際四半世紀前の作品といってもニート生活に漂うバブリー感のほかは古びた感じがしない。新しいあとがきもパワーフルで、なんというか、生命力がすごいと思った。
綾辻行人『奇面館の殺人』講談社ノベルス
気づけば発表から三年以上が経っていた。つい最近、文庫版が刊行されて、そのあとがきに出てくる「軽やかに」という言葉のニュアンスは、ノベルス版とは微妙に異なっている。ともあれ館シリーズはあと一作だそうだけども、ここまでくると、それが完結した時、「新本格」はようやく本当に完了するのではないか……という気がする。
青崎有吾『風ヶ丘五十円玉祭りの謎』東京創元社
日常の謎を主眼とした短編集。といっても長編の合間のサイドストーリーといった印象で、長編に登場した脇役含む人物たちの日常が思う存分描かれるキャラクター小説の趣きも。作者はデビュー前、ライトノベルの新人賞に落選したことでミステリの賞に狙いを絞ったというエピソードがあったけれども、この本を読むとキャラクターを大事にしてその力でも読者を掴みつつあることがわかる。
北山猛邦『私たちが星座を盗んだ理由』講談社ノベルス
現代もの三編+ファンタジーもの(?)二編の短編集。内容はバラバラで、青春要素と最後の一行の切れ味に拘っているらしきところが共通。いずれもバッドエンドといってもイヤミスというほどではなく、また大きな物理トリックが使われているわけでもなく軽やかな感じだけども、印象に残る。ストーリーテリングがうまいんだな〜と思う。

この数ヶ月、さいとうななめさんに倣い「◯◯月に読んだもの」という括りで読書メモをとってきましたが、月初めにまとめると細部の印象が薄れて記録しづらいものもあるため、今後はやっぱりその都度まとめてみようかなあと思っています。

広告を非表示にする