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立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

いわゆるPPAP動画を見たのは二週間前で、それでようやく私は、一連の話題がどういうものであるかを知った。

それからいろいろなアレンジバージョンを見たりすると、やはり元がダンス調だからか、EDMふうのものがピッタリくるように思った。

http://fatherlog.com/ppap-arrange/

しかし一番印象ふかいのはこのWHITE JAMというクリスマスソング風の人たちである。

https://youtu.be/yl_rfoI313c

音楽版文体練習と化した素材としてのPPAPはそれ自体ほとんど無内容である。だから各人のアイデアと技術力の差が浮き彫りになるが、レベルが高ければ高いほど「◯◯風」という形式自体がもつ力も感じられてくる。

上記クリスマスソングの映像は物語仕立てになっている。歌詞自体に物語性は皆無なのにもかかわらず、どういう内容のストーリーであるかは一見すればわかる。それは「クリスマスソング」という形式自体にまつわるいわば紋切り型のストーリー(「一足す一は二だよ」式の)を採用したことが大きそうだ。

興味ふかいのは、ストーリーが作られることによって、無内容に思われた歌詞が何やら意味をもって感じられてくることだ。

クリスマスソング風では、「I have a pen tonight」と、「tonight」の語が新たに付加されている。これを「俺は今夜、突起物を持っている(そしてそれを果実に突き刺そう)」などと解釈すれば、単にヒワイである。しかしそこから更に踏み込んで、「一足す一からさらに新たな一を生み出そう」などと捉えることもできる。いやそうではなく、ペンという筆記具に林檎という知恵の実が合わさることで新たな未知の領域が開かれるのだ……たとえば意図不明な歌詞にエモーショナルな力を持つ形式が合わされることで、こうした寓意的な解釈が可能となるように……というようなことも考えられるのではないか。

そういう実例を目の当たりにしたようにおもった。

本人のCDも来月初旬に発売されるそうで、人のいい私は、自分になんの関係もないにもかかわらず、(せめてそれまではブームよ持ってあげてくれ〜)などとつい願ってしまいますが(ボキャ天世代だから)、たぶん忘年会でやる人も多いだろうから、年末くらいまでは続きそうですね。