立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

澤村伊智『恐怖小説キリカ』講談社文庫版に寄せたレビューが公開されました。

澤村伊智氏の『恐怖小説キリカ』の講談社文庫版に寄せた(というか、「鮎井郁介」を騙って投稿した)レビューが公開されました。詳細は下記を御覧ください。

http://kodanshabunko.com/kirika/

これは小説の内容と連動した企画なので、実際に読んでみないと未読の人にはいったい何が起こっているのかよくわからないとは思うんですが……。私自身の投稿については、(ちょっと趣旨とはズレるよなあ)とか(こんなに安易に他人のキャラクターを使っていいのか!)などとは思いながら、せっかくの機会なので、つい送ってみたという次第です。

ところで「担当編集者T」という方が

故・鮎井氏の言うキリカの元ネタ(?)を書いた作家ってまさかあの? 鮎井さん、殊能さんに聞きたくてもああ叶わない……澤村さんは判りますか、きっとあの人ですよね……僕も呪われそうだ。

と書かれていて、何を想定されているのかよくわからないのですが(『ミザリー』かしらん?)、私が「元ネタ」と想定したのは、『ハサミ男』と「ハサミ男の秘密の日記」です(「秘密の日記」の方は実際に巻末の参考文献リストにも載っている)。まあ私の書き方もわかりづらかったとは思うのですが、『ハサミ男』と「ハサミ男の秘密の日記」を読まれた方は、ぜひ、『恐怖小説キリカ』を読んでみてください。この小説はほとんど「邪悪なカヴァーヴァージョン」です。

良質のカヴァーヴァージョンを聴いていると私は時に自然と涙が出てくることがある。その時それは単に「下敷き」とか「模倣」とかいうことを超えて、ある生き物がまったく別の生を自由に生きているという感じを私に与えてくる。(ああ、あのあれが、まさか、こんなふうに! 蘇るなんて!)という感じ……これ以上のことはいえないが、私はこの感動を誰かと共有したいと思い、その文章を送りつけた。