TBCN

襤褸は着ててもロックンロール

あけましておめでとうございます今年もよろしくお願いします。 ※ 『美濃牛』に関する以下の話題をこちらには載せてなかったので、リンクを張っておきます。 ◯もし洞戸村の人が殊能将之の『美濃牛』を読んだら。 http://www.horado.com/modules/d3forum/index…

ドラマ「赤めだか」を見ていたら、その数日前にやっていた「黒蜥蜴」に比べるとさすがに面白かった。 ※ そういえばもう十年以上前、「爆笑オンエアバトル」に時々、落語家が出ていた。たいていは予選落ちになってしまうのだが、たまにオンエアされることもあ…

殊能将之短篇集が来月2月に出るという噂があるそうです。 https://twitter.com/flow2005yob/status/678865519299063808 「キラキラコウモリ」と「ハサミ男の秘密の日記」を併せるとたぶん100枚は超える(単行本で60頁くらい?)と思うのですが、他に長いコン…

nemanocさんの新ブログが爆誕。 http://proxia.hateblo.jp/ 私もそのうちはてなブログに変えようかしら。 ※ 講談社文芸文庫の金井美恵子自選短篇集が三冊揃った。 『砂の粒 孤独な場所で』 『恋人たち 降誕祭の夜』 『エオンタ 自然の子供』 あと10月刊の磯…

先日のこと、ある人が、ぼくにこうささやいた。作家Bさんは、やはり、すごい人だと思う。「あの人、ほら。決して、えらくならないでしょう」と。 そういえば、ある傾向のものを書かせたら右に出る人がいないと思われる存在である。名前も通っている。でもBさ…

「遠いファンタシーランド」を偽物化する――『殊能将之読書日記』

『殊能将之読書日記』が発売されて5カ月近く、版元のアナウンスでは少なくとも一度は重版されたそうだから、第二弾の可能性はありうるでしょう。 以前にも書いたように、この本は旧公式サイトの「reading」という原書を読んだ感想ページだけをまとめたもの…

媒体に掲載された殊能将之情報【暫定版】

ご本人のインタビューやコラムについては「生活は質素で、作品は冗談好き」さんが詳しくまとめられていますが、私も以前、他の人物によるセンセー紹介情報を集めてみようかなと思ったことがありました。 以下、その時つくったリストが出てきたので、載せてお…

梶龍雄ルネッサンスのために――『龍神池の小さな死体』

梶龍雄『龍神池の小さな死体』(講談社、1979) 乱歩賞受賞の『透明な季節』(1977)から数えると六冊目。いわゆるスリーピング・マーダーもの。時は大学紛争の季節。主人公の大学教授・仲城は、死に際の母から「戦時中に疎開先で溺死したお前の弟は実は殺さ…

よく意味がわからない言葉の一つに、「呼んだだけ」というのがある。名前を口にして相手が振り向いたら、「呼んだだけ」と返して終わる、アレである。一度くらい見聞きした経験があるでしょう。 あの一連のやりとりにいったいどういう意味があるのか。十年ほ…

昨日テレビで「刑事コロンボ 殺人処方箋」がやっていたので初めて観た。恥ずかしながらコロンボはほとんど観たことがなく、実に十年以上ぶりの視聴。以下は雑感。 ◯犯人が一人に絞られるため、フーダニットに比べキャラクター描写が詳しい。また作者対読者(…

石川美子『ロラン・バルト 言語を愛し恐れつづけた批評家』中公新書、2015。 バルト本を何冊も訳してきた人物が、200ページ強の分量で彼の人生をザッと駆け抜ける評伝で、非常にクリヤーな書き方で面白くアッという間に読んでしまう。 権力的であることを一…

夢。修学旅行か何かで海外をぶらぶらしていたら、自由時間中に遠くへ行き過ぎてしまう。早く戻らなければと焦っていると、昔会ったことのある裕福な家庭の婦人がヘリコプターへ乗り込むところに遭遇。目の前の休火山の火口の中へ入って抜け道をくぐればショ…

以下はnemanocさんのhttp://d.hatena.ne.jp/Monomane/20151024/1445703356を見て思い浮かんだこと。 ※ 西江雅之氏の遺作である新刊『写真集 花のある遠景』の帯裏に、ある方が解説に寄せた「本来、驚きというものは見出す側の内にある」という言葉が引かれて…

スマホのはてなダイアリーアプリが使えなくなってしまったので、しばらく滞ってました。 やっぱり新しいパソコン買おうかしらん。 ※ ペトロールズのファーストフルアルバムを買ったら、RADIO ONSEN EUTOPIAばりの大きさの三角ジャケット(しかも紙ジャケだか…

意識しないと見えないもの

カーの短篇集『不可能犯罪捜査課』を読んでいたら、三話目に「ホット・マネー」という、ポー「盗まれた手紙」ライクな趣向の話があった。探偵役のマーチ大佐がかなり自信満々なので期待していたものの、日本人にはチト馴染みづらいネタで、いささか期待が外…

「叙述トリック」についてのメモ(5)

「叙述トリック」と語りの構造 物語言説(ナラトロジー)関係の本をいろいろ見ると、作者と読者の関係は、だいたいこういうふうになっている。 作者−内在する作者−語り手−物語−聴き手−内在する読者−読者 もちろん様々な異見がありもっと詳しい場合もあるけれ…

「叙述トリック」についてのメモ(4)

文脈とキャプション 数年前、こういうコピペを見た。 俺、子供んときに近所の子にプロポーズしたことあるけど そのネタで小学校で「あいつが私にwぷぷぷ」って6年馬鹿にされ、 中学校で3年馬鹿にされ、高校でも3年馬鹿にされ 今だに夕食の時に馬鹿にされ…

「叙述トリック」についてのメモ(3)

作者と語り手 だいぶ間が開きました。雨続きですが、皆さんお元気ですか。見通しが立ってきたので、再開することにします。 この前からジョジュツ、ジョジュツといっていたが、そもそも小説にとって「叙述」とは何なのか。迂遠なようだけど、そのへんをこの…

例のエレベーター

ブックデザインにおいて装画と装幀は基本的に分かれている。 そして本というのはこれだけ出ているので、意図的にか偶然にか、別の本で同じ装画、というバッティングも時折ある。 たとえば、『夢野久作全集1』(1992年刊)と竹中労『琉球共和国』(2002年刊…

初秋と海と

海。 とたった一文字記すだけでなにやら私の中に潮が満ちてくるのを感じる。 二十歳になる前まではよく一人で渚へ出た。 人影のあることはほとんどなかった。 波打ち際に足の裏を向け両腕をだらしなく伸ばしたまま横に浮かんで水温二十度の海面から顔だけを…

日記について・後記

中井英夫『とらんぷ譚』を読んでいたら、年始にアップした「二十歳」のヴァリエーションみたいなものが思い浮かんだので、バーっと書いてみました。 http://d.hatena.ne.jp/kkkbest/20150818/1439916334 あとでパブーにまとめます。 ※ まとめました。 http:/…

日記について

1 他人の日記を読んだことのない者がいるだろうか? ――というとき、まず私が想定しているのは、主に本のかたちで公刊されたものだけれど、それに限ったとしても、これまで読んできたさまざまな日記があれこれと思い浮かぶ。 戦中のもの、学生時代のもの、病…

覆水盆に返らず

8月も中旬となれば、いわゆる夏休みが40日ある小・中・高生にとっては、無限にあると思われた時間がもう半ばを過ぎたと、毎年痛感させられたものです。 ※ ところで昨年、某氏のブログにアップされたライトノベル風短篇を読んで、 「自分もライトノベル風短篇…

後輩にあたる伊吹亞門さんという方がミステリーズ!新人賞を受賞したそうです。おめでとうございます。 http://www.tsogen.co.jp/award/mysteries/ 受賞作は10月発売の「ミステリーズ!」に掲載されるそうです。短篇の新人賞は本にまとめるのにだいぶ時間が…

「叙述トリック」についてのメモ(2)

「叙述トリック」という言葉が指すもの 「叙述トリック」という言葉は広く使われながら、論者によってその指し示す意味が微妙に異なるらしい。私も詳しくはないけれど(妙なところはご指摘ください)、とりあえずここでは我孫子武丸「叙述トリック試論」の定…

唐突に「叙述トリック」についての云々http://d.hatena.ne.jp/kkkbest/20150729/1438166625をぶち上げてしまったので、せっかくだからいろいろ読んでみようと取り寄せているところ。 斎藤栄の「ストリック理論」は名のみ知っていたので『新版 ミステリーを書…

「叙述トリック」についてのメモ(1)

「叙述トリック犯罪学教程」 叙述トリックについての考察はネット上にもかなり有益な考察があるけれど、最近「あざらしさん( @azarashidayou )による叙述トリック犯罪学教程」http://togetter.com/li/433684(以下「教程」と略す。また「叙述トリック」に…

ゲンロンカフェのイベントhttp://togetter.com/li/851931、なぜか開始時間を終了時間と勘違いしてしまい、一時間遅刻してしまった。 せっかくなのでタイムシフトで見ようかなあと思うものの、パソコンも持っていないような人間なので、どうやって視聴すべき…

XINLISUPREMEが三年ぶりに突如発表した新曲「I AM NOT SHINZO ABE」http://youtu.be/_VxirgFBUuc。 「SEASIDE VOICE GUITER」から数えれば五年ぶりとなるのだろうか、ノイズにまみれたまぎれもないシンリ節にテンションがブチ上がっていたら、その晩の夢に安…

ピエール・ルメートル『その女アレックス』をやっとこ読む。最後でムムーンとうなってしまう。警察のあの対応はアリなんでしょうか。あとで『死のドレスを花嫁に』も読んでみます。 ※ 河添太一『謎解きドリル』の最終三巻がいよいよ来週。 ウェブで遅ればせ…