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襤褸は着ててもロックンロール

2015-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「遠いファンタシーランド」を偽物化する――『殊能将之読書日記』

『殊能将之読書日記』が発売されて5カ月近く、版元のアナウンスでは少なくとも一度は重版されたそうだから、第二弾の可能性はありうるでしょう。 以前にも書いたように、この本は旧公式サイトの「reading」という原書を読んだ感想ページだけをまとめたもの…

媒体に掲載された殊能将之情報【暫定版】

ご本人のインタビューやコラムについては「生活は質素で、作品は冗談好き」さんが詳しくまとめられていますが、私も以前、他の人物によるセンセー紹介情報を集めてみようかなと思ったことがありました。 以下、その時つくったリストが出てきたので、載せてお…

梶龍雄ルネッサンスのために――『龍神池の小さな死体』

梶龍雄『龍神池の小さな死体』(講談社、1979) 乱歩賞受賞の『透明な季節』(1977)から数えると六冊目。いわゆるスリーピング・マーダーもの。時は大学紛争の季節。主人公の大学教授・仲城は、死に際の母から「戦時中に疎開先で溺死したお前の弟は実は殺さ…

よく意味がわからない言葉の一つに、「呼んだだけ」というのがある。名前を口にして相手が振り向いたら、「呼んだだけ」と返して終わる、アレである。一度くらい見聞きした経験があるでしょう。 あの一連のやりとりにいったいどういう意味があるのか。十年ほ…

昨日テレビで「刑事コロンボ 殺人処方箋」がやっていたので初めて観た。恥ずかしながらコロンボはほとんど観たことがなく、実に十年以上ぶりの視聴。以下は雑感。 ◯犯人が一人に絞られるため、フーダニットに比べキャラクター描写が詳しい。また作者対読者(…