TBCN

襤褸は着ててもロックンロール

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

続々・自意識そしてユーモア――松尾詩朗『彼は残業だったので』を読む

【※松尾詩朗『彼は残業だったので』の真相に若干触れていますので、未読の方はご注意ください】 (承前) ・幻想ミステリとして読む 前回紹介した「著者の言葉」に「幻想的な謎」という語があるけれど、ほとんどのミステリはある程度、幻想性を含んでいる。…

続・自意識そしてユーモア――松尾詩朗『彼は残業だったので』を読む

【※松尾詩朗『彼は残業だったので』の真相に若干触れていますので、未読の方はご注意ください】 (承前) 引用が続いたついでに、もうひとつ引いておこう。 これは後藤明生が小説論のなかに書いていた言葉ですが、「読んだから書いた」というのが、小説家と…

自意識そしてユーモア――松尾詩朗『彼は残業だったので』を読む

【※倉阪鬼一郎『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』の真相に若干触れていますので、未読の方はご注意ください】「ロジック」について書きます、と宣言したきりになってしまっているけれど、なかなか進まない(おお、また一か月が過ぎた)。その間に、松尾詩朗『…