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襤褸は着ててもロックンロール

2015-05-01から1ヶ月間の記事一覧

河添太一『謎解きドリル』1、2巻を再読。初読時より面白かった。 この作品について、作者はこういうふうに語っている。 僕は元来おしゃべりな性格で、ネットなんていう簡単に意見を発信できる媒体があればそれはもう自分の作品について、 「ここを見て!」…

木曜夜に「アウト・デラックス」でふかわりょうゲスト回を観たら、なかなか興味ふかかった。 私は「芸能IQ」というのは、演者本人から見た自分と、観客から見た自分との距離を即座に察知し、より面白いと思われるほうへスライドしていく能力のことではないか…

ウィトゲンシュタインの講義が即興だったというエピソードを読んで、あることを思いついた。推理小説の解決シーンで探偵が話す行為は、語り言葉による聞き手へのパフォーマンスといえないだろうか。もちろん、それは即興というわけにはいかないから、一見正…

佐々木中の講演集『仝』を読んでいたら、ウィトゲンシュタインは即興で講義をしていたという話が紹介されていた。 彼の講義って完全なアドリブだったんだそうです。いきなり講義室にやってきて、「前回どこまで行ったっけ?ああ、そうか。判った。では続きを…

memoの再読は長い中断を挟んで2006年半ばまできた。6月前半に、『DEATH NOTE』の映画化についての記述がある。 「DEATH NOTE」が藤原竜也主演で映画化されるそうな(金子修介監督、2006)。 日本映画界には「人殺し高校生役は藤原竜也」の法則があるのかな。…

書店で『ジーン・ウルフの記念日の本』とレム『短篇ベスト10』が隣に並んでいるのを見かけた。この二人の著作が新刊(しかもこのシリーズ)として出ると(そして来月に『読書日記』まで出るとなれば)、自分が受験生だった2004年の夏を思い出す。あの年は、 …

友人に誘われAPOGEEと80kidzのツーマン@渋谷lamama。APOGEEはもう七年前になるか、セカンド時にフリーライブに当たったのにバイトが抜けられず、そうこうしているうちに活動休止期に入ったので見るのは初。昨年のアルバムは打ち込み主体でそこからの曲が多か…

さいとうななめ氏の推す河添太一『謎解きドリル』をコミックス二巻まで。一読したところあまりピンと来ず、後でななめ氏や作者の言葉から、トリックやロジックより「演出」「構成」に主眼があるらしいとボンヤリわかりかけてきた。とりあえず再読します。 ※ …

最近どうも気力が湧かないので、一昨年みたいにしばらく雑談を書き留めることにします。 ※ syrup16gの新譜『Kranke』を聴く。リード曲の「冷たい掌」https://www.youtube.com/watch?v=gk02WpyN_Qoは最初、リズムチェンジとコードチェンジに気を取られ、聴き…

初期衝動についての断章

このところ、TL上で市川哲也『名探偵の証明』シリーズが話題になっていた。私も一作目と二作目を読んだ時に感想を記したけれども、admiralgotoさんの第二作に関する記事を読んで、「持たざる者の戦い方」という評言に膝を打ち、しかし同時に異なることも浮…

四月に読んだもの

よしもとばなな『白河夜船』新潮文庫 ひとに勧められて十年以上ぶりに著者の小説を読んだら、太宰治のようにすーっと染み込んでくる語りで、実際四半世紀前の作品といってもニート生活に漂うバブリー感のほかは古びた感じがしない。新しいあとがきもパワーフ…

アイザック・アシモフ『鋼鉄都市』

知人が某誌に「都市SF」論を書いていたので、そこで紹介されていた、SFミステリの名作として名高い本書を読んでみた。 舞台は三千年ほど進んだ未来。地球は、先住民である地球人と、かつて地球から銀河の星々へ移民し、高度な文化を発展させて逆に地球人…