TBCN

襤褸は着ててもロックンロール

2009-01-01から1年間の記事一覧

パラソルの微風――今年買った本で良かった装幀

あれ、もう12月か……。 「クリスマス・ファシズム」という言葉は、恋人のいないもてない男が半ば自虐ネタ気味につぶやくもの――という理解なのだが、そう言う男は結構敏感ではないかと思う。気にしなければまったく気にならないし。繁華街に出かけずテレビも見…

犀の角のように歩め

condor44の十周年記念ワンマン@Club queに行った。 condor44はギターロックバンド。ふだんはオルタナとかシューゲイザーとかに分類されるんだろうか。 生で観るのは2回目で、前回はそのふた月前、イベント44th tigerⅢだった。 イベントは4組出演し、condo…

なんでこんなに。――『追想五断章』

『ダ・ヴィンチ』最新号で「今月の絶対はずさない!プラチナ本」に認定されてされていたので、「そういえば読んだんだった」と思い出しました。寂しい小説だなあ。 いつにもまして、今回は特にそう感じました。全体で240ページ足らずと短く、さらっと読まさ…

続 やぶれかぶれ

そうそう、前回の話の続きを書くつもりなんだった。 ところで、twitterを見てたら、栗原裕一郎氏もまさに同じ話題を取り上げてたので、一瞬「あれ、俺twitterでこんなこと書いたっけ」と錯覚してしまった。いや、栗原氏もその後に「まあたしかにぴくりとも面…

やぶれかぶれ

どうでも良い話なんですが、久しぶりに読んだ先週号の「スパ!」の「これでいいのだ!」がウッドストックとかビートルズとかのロックの話題で、福田和也氏が、「凄い良いよ、ってすすめられてアークティック・モンキーズを聴いたんだけどさ、一秒も面白くなか…

ウッドハウス漫画

現在のP・G・ウッドハウス翻訳隆盛の端緒となった『比類なきジーヴス』が、国書刊行会から3巻シリーズの第1巻目として出たのが2004年の秋だから、ほぼ5年が経とうとしている。その間に国書刊行会をはじめ文藝春秋、集英社と、10冊以上が訳され、勢いは…

1980年代の福音館書店

最近はロクに本も読まずに、適当な引用・感想で逃げてばかりですが、今回も逃げます。(いやホント、土岐眠君のマメさは凄いわ……) ※ 唐突だが、漫画のタンタン・シリーズが大好きだ! 貴方はご存知だろうか? タンタン。 フランスの新聞連載漫画で、青年記…

2003

ミックスCDを作るべく、2003年に出たオムニバス『TADADAH! トリビュート至福刑事2』を引っ繰り返すと、意外な名に出会ったので書いておこう。 歌詞カードのアートワークが結構こっていて、なぜかヤワラちゃん特集。 うんこ次郎によるヤワラちゃん漫画「恋の…

3000部!

ジュンク堂新宿店の特設コーナーで福永信サイン付き『アクロバット前夜90゚』を買った。神田の三省堂本店に積んであって安心していたのがいつの間にかなくなり、寂しく思っていたもので、今のうちとばかり手に取った。 誰の字か、たぶん福永氏本人なのか、奥…

夏はすぐ終わる

だんだんと暑くなってきて、やはり元気の出ないことも多いここ最近でございますが、細々と書いてみたいと思います。*野坂昭如の新連載「ニッポンへの遺言」が先月から始まった…… ということを知ったのが先週で、まだ現物を確認していないのだが、エッセイな…

続々・文庫化

金井美恵子の『岸辺のない海』が河出から文庫化するそうだ。2年くらい前、今ほどファンではなかったとき、大学近くの古本屋で中公文庫が400円で売っていて、一部が折れ曲がっていたので買い渋っていたのが売れてしまって、それからなかなか見つからず悔しか…

ooo

おおお。 SF作家の伊藤計劃さん、亡くなられてたんですね……。 知らなかったです……。 RSSで見ているとブログが正月の「今年も宜しくお願いいたします」からなかなか更新されないので、「またご体調が……」とは思っていたのですが……。 ※ 伊藤さんといえば。 私…

インフルエンザだぞ私は

そろそろ引っ越そうというのに帰省先でインフルエンザにかかって、三日寝たきりでもちっとも回復しないし、高校時代は一日休んだらスッキリしたもんだけどな、こりゃあ体力が落ちたか、と考えると先が思いやられるし、そうボヤいてる間にも膨らんだ両目の奥…

続・文庫化

『快楽の館』来月、河出文庫化か……。 比較的手に入りやすい作品なのがナンだが、なぜこのタイミング……。 あと坪内祐三『ストリートワイズ』 講談社文庫化も謎……。『どうで死ぬ身の一踊り』文庫化で解説を書く際にそういう話があったんだろうか。 また『ダブ…

『柔らかい土をふんで、』文庫化

金井美恵子の『柔らかい土をふんで、』が文庫化された。巻末に『新潮』編集長の矢野によるインタビューが載っている。 去年でた『昔のミセス』の「あとがき」では健康問題が心配されたので、皮肉で意地悪な調子も戻って、お元気そうで何より。 『新潮』2008…

池田雄一さんて

今月の『文学界』に書いている文芸評論家の池田雄一さんて、『早稲田文学』の編集者なんだと思ってたけど、違ったのかなあ。 というのは、『早稲田文学』第十次復刊第二号のシンポジウムのポッド4「読者と小説 批評と書評、文学賞」で、中森明夫氏が、早稲…

解体と気晴らし

綺譚集 (創元推理文庫)作者: 津原泰水出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2008/12メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 25回この商品を含むブログ (26件) を見る津原泰水の文庫になった『綺譚集』をパラパラめくってたら、最初の「天使解体」はどうもどこかで…

鳥飼否宇氏の最新短篇「問題作」が『ジャーロ』に載っている。 『ミステリマガジン』に載ったシリーズ前作「処女作」の感想は9月25日のエントリーに書いたのだが、今作はまた凝っている。事件を起こしつつある犯人の青年の一人称小説の下に、「神の視点から…

王貞治と津村記久子

確か先々週の『週刊読書人』に、津村記久子の、芥川賞ではなく野間文芸新人賞授賞式のコメントが載っていて、(作品は『ミュージック・ブレス・ユー!』、本賞は町田康『宿屋めぐり』、児童文芸賞は工藤直子『のはらうたV』)記憶で書くのだが、こういうこと…

連城さんは……

『国文学 解釈と鑑賞』2月号http://www.shibundo.co.jp/cgi-bin/menu.cgi?ISBN=037170209は、「現代作家と宗教 仏教編」特集なのだが、その中で、私は、直木賞作家の連城三紀彦氏が、1987年に得度していたことを初めて知った。 ウィキペディアにも載っていな…

一週間前、アパートを出ると目の前の電柱にポスターが貼られており、急遽、観賞決定した。 何せ、右翼を騒がせ、鈴木邦男を騒がせ、『週刊新潮』を騒がせ、インターネットニュースを騒がせ、月刊『創』に監督ご本人の反論も載ったあの『天皇伝説』(with姉妹…

ミュージシャンとアーティスト

大野佐紀子氏の『アーティスト症候群 アートと職人、クリエイターと芸能人』は、文芸誌の広告に結構載っていて、気になって読んだ。私は以前から、なぜミュージシャンが「アーティスト」と呼ばれるのか不思議だった。「ミュージシャン」や「バンド」「グルー…

あれ、もう三部作完結……

矢口敦子氏の早見江堂名義の本格ミステリ三部作の第3作が、前作から二か月で出ているのでビックリ。 ライトノベルではないのだから、早すぎる気もする……。これではつくファンもつかないのでは。 taipeimonochrome氏の「早見江堂=講談社への復讐説」もにわか…

恒川氏と沖縄

「夜市」でホラー大賞を受賞してデビューした、恒川光太郎氏の公式ブログが最近オープンしたということで、調べてみた。 が、全然出てこない……。 googleで調べてもわからないし、Wikipediaにも載ってない……。 ということで、2chで調べたらわかった。 「コウ…

いつの間にか芥川賞・直木賞の候補作が出ていました。月日は早いものです。 芥川賞 ・鹿島田真希「女の庭」(『文藝』2008年秋号) ・墨谷渉「潰玉」(『文学界』2008年12月号) ・田中慎弥「神様のいない日本シリーズ」(『文学界』2008年10月号) ・津村記…

ちなみに音楽編 ・秦基博「キミ、メグル、ボク」デビュー2年目でこのアッパー感は凄い。 ・jealkb「fly」どーせお笑いなんでしょ? と私も最初思ってたんだが……結構良いですよね。ボーカルも上手いし。修正してるのかなあ。 ・BaseBall Bear「Love Mathmatic…

サークルの皆様方が年間ベストを出しているので、私も読んだ本から年間ベストを出してみる。 書評誌とかだと「2008年の収穫」とかになるのだろうか。 なぜ「収穫」というのだろうか……。 基本、今年出た本だが、去年出たものも。小説 ・飛鳥部勝則『堕天使拷…