TBCN

襤褸は着ててもロックンロール

ストレンジ・フィクションズ第四号への執筆

告知をボヤボヤしているうちに売り切れてしまったのですが、同人誌ストレンジ・フィクションズ第四号に短篇「胡瓜の絞り方。」を執筆しました。 これは、2021年7月に電子リリースされたストレンジ・フィクションズ臨時増刊『夜になっても遊びつづけろ 夜ふか…

ストフィク臨増への寄稿

ストレンジ・フィクションズ臨時増刊号『まだ火のつかぬ言葉のように 声百合アンソロジー』がリリースされました。臨時増刊号は二年ぶりです。 前回どうよう色々なバリエーションの短篇が入っています。詳細はリンク先をご覧ください。(前回は電子版オンリ…

2022年に聴いた音楽で思い出すもの

reza8823.hatenablog.com 青サンのブログを読んだら(そういえば自分も今年もいろいろ音楽を聴いたはずだからそれについてメモしておきたいな)という思いがフト湧いたので、書くことにします(こういう話題を書くのはいつ以来でしょうか)。 とはいえ私は「…

「新・叙述トリック試論」について

去年の5月に、同人誌『立ち読み会会報誌』第三号「特集 新・叙述トリック試論」の予告を出しました。 『立ち読み会会報誌』第三号〈特集 新・叙述トリック試論〉に関するお知らせ - TBCN それから一年四ヶ月。 当初は一気呵成に完成させるつもりでいたので…

ヒロイン視点として読むGRAPEVINE「超える」

ななめのa.k.a織戸久貴さんの「負けヒロインについて語るときに僕の語ること」を読んだら、思い浮かんだことがあったので、書きます。 「負けヒロイン」というのはいわゆるハーレム物ラブコメなどで、最終的に男性主人公と結ばれることのなかったキャラクタ…

既視感の二つの段階――知念実希人『硝子の塔の殺人』

まず先にお断りしておくと、本作は「ミステリマニアミステリ」です。ミステリマニアの館主が、ミステリマニアたち(それは必ずしも客全員ではありません)をヘンな建物に招いて、ミステリ談義をするうち、事件が起こる。 「本格ミステリ小説の舞台になりそう…

ストレンジ・フィクションズ臨時増刊『夜になってと遊びつづけろ よふかし百合アンソロジー』の感想

承前。 申し訳ない話ですが参加したにもかかわらずリリース前までに通読できていなかった『夜になっても遊びつづけろ』全作をようやく通読できたので、以下若干の裏話的なハナシを交えながらまた多少の内容にも踏み込みながら紹介していきたいと思います。 …

ストレンジ・フィクションズ臨時増刊『夜になっても遊びつづけろ よふかし百合アンソロジー』に寄稿しました。

織戸久貴さん完全プロデュースによるチャリティ同人誌『(ストレンジ・フィクションズ臨時増刊)夜になっても遊びつづけろ よふかし百合アンソロジー』がリリースされました。 詳しくは以下を御覧ください。 note.com note.com 私は短篇「餃子の焼き方。」本…

「殊能将之」と『楚辞』

以下に掲出するのは、第28回東京文学フリマで頒布した有料ペーパー「T B C N海賊版v o l.2 特集・殊能将之(その二)余滴」に載せた記事です。『立ち読み会会報誌』第二号の責了後に、 「そういえば〈殊能将之〉って〈特殊な才能で軍勢を率いる〉という意味…

『立ち読み会会報誌』第三号〈特集 新・叙述トリック試論〉に関するお知らせ

twitterではすでにお知らせしていましたが、現在、『立ち読み会会報誌』第三号という新刊を準備しています。 内容は標題のとおり、叙述トリックに関する特集です。 第一号(2017年11月)の時に「第三号まで殊能将之作品特集をします」といい、第二号(2019年…

『日本探偵小説全集リミックス(ストレンジ・フィクションズ第二号)』クイズの正解

承前。 予告通り、ストレンジ・フィクションズ第二号『日本探偵小説全集リミックス』リリースに際し私が個人的に実施したクイズの正解を発表します。 番号と作品の結びつきは以下のとおりです。 【ナンバー = 収録作品】 No.1 = 九鬼ひとみ「発狂する壁」 …

『日本探偵小説全集リミックス(ストレンジ・フィクションズ第二号)』発刊およびクイズ&プレゼントのお知らせ

参加しているサークル「ストレンジ・フィクションズ」の第二号『日本探偵小説全集リミックス』がリリースされました。https://booth.pm/ja/items/2643010 すでに紙版は完売してしまっているのですが、電子版(boothのpdf、アマゾンkindle)は発売中です。 こ…

「宇宙人問題(ミステリの推理が常識外の可能性を無視する問題)」にかんする雑感

本を読まない弟に「殺人事件で全部宇宙人の仕業でした、みたいな可能性を無視できるのは何で?」と言われた - Togetter 話題になっていたので、読んでみた。が、まとめられていない呟きも多くあり(直接言及しない人も多かった)、そちらの方に面白いコメン…

加藤典洋『完本 太宰と井伏』

1 この著は文芸評論だが、太宰治の死の謎をめぐる一種の文学ミステリといってよく、興味ふかく読んだ。 本の存在自体はずいぶん前から知っていたが、題材自体はありふれているように感じられ(タイトルも地味だ)、しかしそんな先入観は読み始めてすぐ、木っ…

「ストレンジ・フィクションズ」のnoteアカウントが開設されました

note.com 「ストレンジ・フィクションズ」のnoteアカウントが開設されました。そこで次号の内容について予告されています。 刊行は10月で、より詳しいことは決まり次第更新されると思います。正直なところ、自分の文章は読み返すのが苦痛であまりオススメす…

近況報告

気づけば前回の更新から半年以上経ってました。 この半年間、心身ガタガタだったり宿題が沢山あったりでブログどころではなかったのですが、世界的にも色々大変な状況になってしまいました。 とはいえ流されゆくままというのもなんなので、いちおう諸々書き…

「メフィスト 2019 VOL.3」に「蘇部健一は何を隠しているのか?」が掲載されます。

なぜか今年は年明けからもうずーっとまったく余裕がなく、いろいろ放置してしまっているのですが……。 * 2019年12月4日配信開始の「メフィスト 2019 VOL.3」に、メフィスト評論賞に投稿して円堂都司昭賞を受けた「蘇部健一は何を隠しているのか?」…

柾木政宗『ネタバレ厳禁症候群 ~So signs can’t be missed!~』

柾木政宗『ネタバレ厳禁症候群』(講談社タイガ、2019)は「ユウ&アイ」シリーズの第二作。前作『NO推理、NO探偵?』と同じく、メタフィクションを志向している。 この『ネタバレ厳禁症候群』には、日本のミステリ史上でも珍しいと思われるある特異な記述が…

名古屋SFシンポジウム2019

名古屋SFシンポジウム2019が9月28日(土)、椙山女学園大学で開催されます。名古屋SFシンポジウム2019、詳細が決定致しました。開催は一ヶ月後。無料でどなたでも参加できるトークイベントです。今年はSFの枠を飛び越えて幻想小説、アメコミ、ミステリにせま…

メフィスト評論賞について。

フトした事情から違う名前(「古川欧州」名義)で応募したんですが、このたび「蘇部健一は何を隠しているのか?」でメフィスト評論賞円堂賞をいただきました。 http://kodansha-novels.jp/mephisto/criticism/ 法月綸太郎さんと円堂都司昭さんの選考対談は「…

『立ち読み会会報誌』第一号・改訂再版の電子版をリリースしました。

お知らせばかりアレではありますが……。 『立ち読み会会報誌』第一号・改訂再版の電子版を磯達雄様よりご許諾いただいたため、PDF版をリリースしました。 https://anatataki.booth.pm/items/1393832 電子化にあたり、引用体裁の第二号との統一や、図版のカラ…

澤村伊智『恐怖小説キリカ』講談社文庫版に寄せたレビューが公開されました。

澤村伊智氏の『恐怖小説キリカ』の講談社文庫版に寄せた(というか、「鮎井郁介」を騙って投稿した)レビューが公開されました。詳細は下記を御覧ください。 http://kodanshabunko.com/kirika/ これは小説の内容と連動した企画なので、実際に読んでみないと…

『立ち読み会会報誌』第二号電子版と訂正箇所

『立ち読み会会報誌』第二号(特集・殊能将之 その二)の電子版をリリースしたので、新たな記事として書いておきます。 https://anatataki.booth.pm/items/1384738 * 以下、電子版作成にあたり紙版の記述を修正した部分の訂正一覧です(細かな誤字脱字など…

『立ち読み会会報誌』第二号のBOOTH通販情報

ご要望をいただいたので、予定より早めに本日、開始しました。 https://booth.pm/ja/items/1382001 よろしくお願いします。 [追記] ありがたいことに、BOOTHの方も即日完売してしまいました(今までは月一冊とかだったんですが……やっぱりタイミングという…

『立ち読み会会報誌』第二号の通販情報

盛林堂さんでの通販が本日開始です。 http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca4/499/p-r-s/ よろしくお願いします。[追記] 30冊お預けしたんですが、開始から二時間くらいで品切になってしまったようです。お求めいただいた皆様、ありがとーございます。 …

御礼

6日の第28回東京文学フリマへの出店、無事終了しました。来てくださった皆様、ありがとーございました。 当日は出遅れて開場から10分過ぎに着いてしまいました。今回はちゃんと「ミステリ・評論」コーナーに出店したので、周りはもう激戦状態。印刷所から届…

文学フリマ東京参加についての情報

次回の文学フリマ東京に出店しますので、お知らせいたします。 【日時】2019年5月6日 11時~17時 【場所】東京流通センター 第一展示場 オ‐23 【サークル名】立ち読み会 【頒布物】『立ち読み会会報誌』第二号(特集・殊能将之〔その二〕) (既刊『第一号(…

『立ち読み会会報誌 第一号(改訂再版)』のBOOTH通販情報

既刊『立ち読み込み会報誌 第一号(改訂再版)』をBOOTHで通販することにしました。 まだお持ちでなくご希望の方は、何卒よろしくお願いいたします。【目次】 序 立ち読み宣言 巻頭インタビュー 磯達雄氏に聞く 第〇部 二〇一三年三月三十日~四月三日 第一…

『集英社世界文学大事典』『あしながおじさん』

『集英社世界文学大事典』(集英社)→全六巻。一九九六‐九八年刊。一~四巻が人名、五巻が事項、六巻が索引、という大冊。これも本文中に指標がないので、『フィネガンズ・ウェイク』と並ぶ特定難易度かも。さすがに全部読み通すのは無理なので、まず世界文…

『立ち読み会会報誌』第二号の表紙(予定)

気が早いですが、『立ち読み会会報誌』第二号の表紙(予定)です。 前回同様、地にイメージを置いてフォントをいじっただけですが……。