立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

『立ち読み会会報誌』第三号〈特集 新・叙述トリック試論〉に関するお知らせ

 twitterではすでにお知らせしていましたが、現在、『立ち読み会会報誌』第三号という新刊を準備しています。

 内容は標題のとおり、叙述トリックに関する特集です。

 第一号(2017年11月)の時に「第三号まで殊能将之作品特集をします」といい、第二号(2019年5月)の時に「前号の内容を延長して書いてしまいました」といい、浦賀和宏先生逝去(2020年2月)の時に「第三号は急遽、浦賀和宏作品特集にします」といい、それで今回の叙述トリック特集なので、もはや誰も信用などしてくれないと思いますが(いま書いてきて、エッ前回からもう二年も経ってるの!と思いましたが)、自分としてはここに至る流れには、それなりに理由がありました。

 というのも、殊能作品にせよ、浦賀作品にせよ、「叙述トリック」がやはり重要なキーワードなので、まずそれをきちっと押さえておかないといけないのではないか、と思ったのが一つ。特に殊能センセーに関しては、去年、ある資料を見せていただいて、

(この方はこれほどまでに叙述トリックにこだわっていたんだなあ……)

 と思ったことがありました。なので、やはりこちらの方を先に片づけておきたくなった。

 で、元々は第32回文学フリマ東京に合わせて作る予定で、エントリもしていたのですが、いわゆる緊急事態宣言の延長で、おそらく開催されないだろうと入稿締め切りを延ばしたら、開催されるというので慌ててしまいました。新刊はないので既刊だけでも並べるという案もありましたが、結局出店はキャンセルし、上述の新刊のほうをなるべく進める、ということにしました。

 予定としては、5月の終わり~6月の始めくらいから、通販を始めるつもりです。【一番下の追記を御覧ください。】詳細がかたまりしだい、こちらで改めてお知らせします。今回はサンプルとして「はじめに」を公開するので、それを見ていただくと、どういう意識で書いているのか、大体わかると思います。(いちおう先に警告しておくと、今回の新刊では「この小説には叙述トリックが使われている」という程度の言及は、特に断りなく行なうのでご了承ください。もっと内容に踏み込む箇所では、先に断ります)

【目次】
はじめに
第1章 叙述トリックはどのように語られてきたか
第2章 本稿で参照するモデル
第3章 一人称・手記・信頼できない語り手
第4章 三人称・映画・モンタージュ
第5章 メタフィクション・作中作・パラテクスト
第6章 サプライズ・ネタバレ・インターネット
結語
主な参考・引用文献

【判型】新書判サイズ(二段組)

【価格】1500円

 よろしくお願いします。

 

【追記 2021.07.01】

 上のように予告を書いてから、予想を超えて鬼のような多忙状態に陥ってしまったため(現在もその渦中)、なかなか完成の目処がたちません。また見通しができましたら、こちらでご報告します。予告した時に、10人くらいの方から、「出たら買う」と仰っていただいたのを、励みにしております。

 これまではこのブログに断片というかメモ書きをバーっと書いていって、それを総合する、という書き方をしていたのですが(たとえばこういうの)、今回、ネタバレ全開なので、なかなかそれはやりにくい。ただ、多少なりとも作業を進めながら自分のモチベーションを保つのと、後は「出す出す詐欺じゃなくて本当に進めてますよ!」というアピールないし証明のために、何かしらのかたちで内容の虫干しはそろそろやっておきたいところです。