2012-12-01から1ヶ月間の記事一覧
【『メルカトルかく語りき』の真相に触れていますので、未読の方はご注意ください】麻耶雄嵩『メルカトルかく語りき』(講談社ノベルス、2011)を先日読んだ。発売時から話題になっていたので、事前情報はけっこう耳にしていたけど、実際に読むと「なるほど…
また話がズレた。今回いいたいのは結局、「交換可能性」に関してだ。ある要素や素材の歴史性や個別具体性を捨象していくと、ツルツルしたレゴブロックのようなものとして扱えるようになり、それを確固たる形式に代入すれば何かがガラガラポンと出てくる。そ…
以前何かの文庫解説で、「推理小説はまず、〈推理〉小説である前に、推理〈小説〉であるべきだ」というフレーズが紹介されていた(懐かしい……)。うなずけるところもないではない。ただのパズルに留まるな、ということが言いたいのだろう。しかしそれに「人…
物心ついた時には、すでにその形式がそれなりの時間の厚みとともに存在した。どうやら自分のやって来る前には、ここを通っていった先達が数えきれぬほどいたらしいのだ……。 ほとんどの人間はそこから何かを始める。先人の実験例や、形式に対する世間の評価は…