立ち読み師たちの街

襤褸は着ててもロックンロール

2013-11-09から1日間の記事一覧

殊能将之を再読する/『美濃牛』(6)

Since I Left You 殊能氏はボルヘスが引用に際して行なった操作について、ある発見をしたことがあるという。 ホルヘ・ルイス・ボルヘスの「タデオ・イシドーロ・クルスの生涯」という短編には、イェイツの詩がエピグラフに使われている。記憶で書くので不正…

殊能将之を再読する/『美濃牛』(5)

「夜に耐えられるか?」 美濃牛との出会いの場面は、巧妙に作られている。天瀬は、毒を飲んだ美雄と一緒に洞窟の中へなだれ落ちた。そして美雄の死体がクッションとなって命拾いする。一歩間違えば、自分が死んでいただろう。助けを求めて歩き出すが、しだい…