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襤褸は着ててもロックンロール

澤村伊智『恐怖小説キリカ』講談社文庫版に寄せたレビューが公開されました。

澤村伊智氏の『恐怖小説キリカ』の講談社文庫版に寄せた(というか、「鮎井郁介」を騙って投稿した)レビューが公開されました。詳細は下記を御覧ください。

http://kodanshabunko.com/kirika/

これは小説の内容と連動した企画なので、実際に読んでみないと未読の人にはいったい何が起こっているのかよくわからないとは思うんですが……。私自身の投稿については、(ちょっと趣旨とはズレるよなあ)とか(こんなに安易に他人のキャラクターを使っていいのか!)などとは思いながら、せっかくの機会なので、つい送ってみたという次第です。

ところで「担当編集者T」という方が

故・鮎井氏の言うキリカの元ネタ(?)を書いた作家ってまさかあの? 鮎井さん、殊能さんに聞きたくてもああ叶わない……澤村さんは判りますか、きっとあの人ですよね……僕も呪われそうだ。

と書かれていて、何を想定されているのかよくわからないのですが(『ミザリー』かしらん?)、私が「元ネタ」と想定したのは、『ハサミ男』と「ハサミ男の秘密の日記」です(「秘密の日記」の方は実際に巻末の参考文献リストにも載っている)。まあ私の書き方もわかりづらかったとは思うのですが、『ハサミ男』と「ハサミ男の秘密の日記」を読まれた方は、ぜひ、『恐怖小説キリカ』を読んでみてください。この小説はほとんど「邪悪なカヴァーヴァージョン」です。

良質のカヴァーヴァージョンを聴いていると私は時に自然と涙が出てくることがある。その時それは単に「下敷き」とか「模倣」とかいうことを超えて、ある生き物がまったく別の生を自由に生きているという感じを私に与えてくる。(ああ、あのあれが、まさか、こんなふうに! 蘇るなんて!)という感じ……これ以上のことはいえないが、私はこの感動を誰かと共有したいと思い、その文章を送りつけた。

『立ち読み会会報誌』第二号電子版と訂正箇所

『立ち読み会会報誌』第二号(特集・殊能将之 その二)の電子版をリリースしたので、新たな記事として書いておきます。

https://anatataki.booth.pm/items/1384738

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以下、電子版作成にあたり紙版の記述を修正した部分の訂正一覧です(細かな誤字脱字などは除く)。

52頁下段1行目 北村透谷「我牢獄」:断想的随筆→断想的小説

60頁下段11行目 トマス・ド・クインシー『深き淵よりの嘆息』:「原著一八四五年」がヌケ

93頁下段2行目 Michael Moorcock The Final Programme:the,¥m→them

96頁下段7行目 サミュエル・R・ディレイニーアインシュタイン交点』:作者の日記をはじめジョイスやをはじめ引用がたくさん出てくる。→作者の日記をはじめジョイスなどの引用がたくさん出てくる。

108頁上段 『岐阜県の地名』:未確認→事典風の分厚い本で、「洞戸村」の項をめくると四頁ほど詳しい記述が書いてある。

同 長倉三朗、早船ちよ『美濃・飛驒の伝説』:未確認→各地域の伝承をまとめたシリーズの一冊。冒頭に長良川流域の項があり、そこに藤原高光の伝説が紹介されている。後半は昔ばなしふうの口調で伝承を多数採録したコーナーで、高光伝説は「矢納めの滝」として高光に寄り添った三人称で書かれてある。この伝承によれば、高光は二度、化物退治をしたことになっており、七〇〇年代と九〇〇年代といった時間差は曖昧化されている。

114頁下段9行目 土屋隆夫推理小説作法』:「参照箇所わからず」ヌケ

163頁上段 頁の都合で割愛していた「トランプによるあらすじ」を追加。

f:id:kkkbest:20190527130946j:plain

165頁下段14行目 私はこのあたりで筆を置くことにした。→私はこのあたりで手を止めることにした。(実際にはキーボードで書いているので……)

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もしその他、何か気づかれた方がいらっしゃいましたら、ぜひお教えください。

『立ち読み会会報誌』第二号のBOOTH通販情報

ご要望をいただいたので、予定より早めに本日、開始しました。

https://booth.pm/ja/items/1382001

よろしくお願いします。

 [追記]

ありがたいことに、BOOTHの方も即日完売してしまいました(今までは月一冊とかだったんですが……やっぱりタイミングということでしょうか)。

増刷は今のところ予定しておりませんので、ひとまず電子版をリリースすることにしました。

https://anatataki.booth.pm/items/1384738

紙版からは誤字脱字など、気づいたところを微調整しています(調整箇所については、紙版をお求めいただいた方にもわかるよう後日、こちらに掲載します)。

電子版は初めてなので、何か不備があるかもしれません。もし「ここは変だぞ」などとお気づきの方がいらっしゃいましたら、お知らせください。

どうか引き続き、よろしくお願いいたします。

『立ち読み会会報誌』第二号の通販情報

盛林堂さんでの通販が本日開始です。
http://seirindousyobou.cart.fc2.com/ca4/499/p-r-s/
よろしくお願いします。

[追記]
30冊お預けしたんですが、開始から二時間くらいで品切になってしまったようです。お求めいただいた皆様、ありがとーございます。
前号も最初は実質二時間でした……で、二度追加して一週間ほどで累計百冊を売っていただいた盛林堂さんには感謝、感謝です。
今回は追加は予定していませんので、残部はしばらくしたらBOOTHに出品します。次の文学フリマ用にもいくらか残しておこうと考えてます。BOOTHではだいたい月一冊注文があるかないかぐらいの超スローペースなので(たぶんアカウント作成の手間がハードルなのでしょう)、いかに盛林堂さんがすごいかという……とはいえあまりご負担をかけるのも申し訳ないので、しばらくはこの二段階方式でいきたいと思います。気づいたら品切だった、という方はその際にぜひ、よろしくお願いいたします。

御礼

6日の第28回東京文学フリマへの出店、無事終了しました。来てくださった皆様、ありがとーございました。

 

 

当日は出遅れて開場から10分過ぎに着いてしまいました。今回はちゃんと「ミステリ・評論」コーナーに出店したので、周りはもう激戦状態。印刷所から届いていた新刊のダンボールを開けるなり、確認する間もないままバババーっと販売しまして、30分ほどして一段落したら持ち込んだ既刊分が完売してました。

午後はわりあい少なかったんですが、終わってみれば前回より販売数は上回ってました。インタビューもないので、(まあ今回は売れないかもな……)と思っていたので、これはありがたかったです。

通販方法はおそらく今週末、盛林堂さんにお持ちすると思います。決まりましたらまたこちらでお知らせします。第一号は文フリ後、BOOTH出品分も初版・改訂再版ともに完売したんですが、第二号も今後いくらか手持ちしておいて、次回以降含めスローペース販売をしていこうとかなと。

今後ともよろしくお願いします。

 

 

 

 

(↓前回から進化したブース状態)

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文学フリマ東京参加についての情報

 次回の文学フリマ東京に出店しますので、お知らせいたします。

【日時】
2019年5月6日 11時~17時

【場所】
東京流通センター 第一展示場 オ‐23

【サークル名】
立ち読み会

【頒布物】
『立ち読み会会報誌』第二号(特集・殊能将之〔その二〕)

(既刊『第一号(改訂再版)』とペーパーも持っていきます。)

【内容】
はじめに――殊能将之における「引用」概念
第一部 『ハサミ男』の参考・引用文献
第二部 『美濃牛』の参考・引用文献
第三部 『黒い仏』の参考・引用文献
ボーナストラック「辺鄙な土地(OUTSIDE WORLD)」
編集後記

【判型】
ノベルス版二段組

【ページ数】
166ページ

【価格】
千円

【部数】
70部程度

【表紙デザイン】

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 以前にも書いたように、今回は前号の続きというか、『ハサミ男』『美濃牛』『黒い仏』の「参考・引用文献」特集です。

 二百冊くらいある本を熟読したり走り読みしたりしながら、参考・引用されている箇所を特定しようというものです。だいたい90%くらいは特定していると思います。

 インタビューもないので前号以上にニッチな内容ですし、辞書みたいな体裁になってしまったので、やりながら(これ、誰が付き合ってくれるんだ……)という疑念に悩まされましたが、何もなければ当日、印刷物が届くと思います。サンプルを上げておきますので、よろしければ御覧ください

『立ち読み会会報誌 第一号(改訂再版)』のBOOTH通販情報

既刊『立ち読み込み会報誌 第一号(改訂再版)』をBOOTHで通販することにしました。
まだお持ちでなくご希望の方は、何卒よろしくお願いいたします。

【目次】
序 立ち読み宣言
巻頭インタビュー 磯達雄氏に聞く
第〇部 二〇一三年三月三十日~四月三日
第一部 『ハサミ男』を読む
第二部 『美濃牛』を読む
第三部 『黒い仏』を読む
追記 ポー・ラヴクラフト殊能将之
改訂再版のためのボーナストラック
編集後記

https://anatataki.booth.pm/items/1053346

あと自分が参加した『ハサミ男』二次創作アンソロジー『臨床殺人学概論』(笹木志咲紫さん主宰)も同サイトで通販中のようですので、よろしければドウゾ。

https://sakishi.booth.pm/items/1027549

[2019年5月8日追記]
おかげさまで第一号の紙版、初版・改訂再版ともに完売しました。お求めいただいた皆様、ありがとーございました。重版については未定です。